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サバゲー男子が悪役令嬢に転生して、イベント無視でサバゲー極めたら魔王まで倒す物語  作者: 南蛇井


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scene5 クロス隊合流 ― 因縁から共闘へ

荒野と廃村の境界。

次の戦線を前に、部隊は一度足を止めていた。


瓦礫の向こうから、規律正しい足音が近づいてくる。

警戒が走るが――すぐに、それが味方だと分かった。


別ルートを進んでいた、クロス隊。


先頭に立つのは、見慣れた長身の男。

ドレイヴ・クロス。


彼は一瞬、周囲の状況を見渡し、

そして――無傷の騎士団と、整然と保たれた陣形に目を留めた。


「……また会ったな」


低い声が、静かに響く。


ヴィオレッタは振り返り、表情を変えずに応じた。


「ええ。でも今回は――」


一拍置いて。


「敵同士じゃない」


短い沈黙。


それは、過去の決勝戦を思い出すには十分な間だった。

互いに全力をぶつけ合い、

最後の一瞬で勝敗が分かれた、あの戦場。


ドレイヴは、ゆっくりと息を吐いた。


「……正直に言う」


彼は視線を逸らさず、ヴィオレッタを見据える。


「ここに来るまで、何度か戦闘があった。

 だが――被害が出た」


その一言が、彼の立場を物語っていた。


そして、はっきりと続ける。


「この戦線。

 指揮は――任せる」


周囲が、ざわめく。


クロス隊は、王国でも名の通った精鋭。

その隊長が、階級のない一学園生に

指揮権を委ねるという意味。


だがドレイヴの表情に、迷いはなかった。


「お前のやり方は知っている。

 勝つためじゃない――生き残るための戦いだ」


ヴィオレッタは、ほんの一瞬だけ目を伏せ、

次に上げた視線は、指揮官のそれだった。


「分かりました」


簡潔な返答。


「無駄な犠牲は出しません。

 その代わり――私の指示には、即応してください」


ドレイヴは即座に頷く。


「当然だ」


二人の間に、言葉以上の合意が成立する。


かつては因縁で結ばれた相手。

今は――同じ戦場に立つ、共闘者。


クロス隊の隊員たちも、無言で配置につく。

誰一人、異を唱えなかった。


荒野の向こう。

次の戦線から、魔王軍の気配が濃くなる。


ヴィオレッタは全体を見渡し、静かに告げた。


「行きましょう」


「ここからが、本番です」


因縁は、すでに過去。

今あるのは――

生き残るための、最適解だけだった。

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