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サバゲー男子が悪役令嬢に転生して、イベント無視でサバゲー極めたら魔王まで倒す物語  作者: 南蛇井


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scene4 敵陣突破 ― 陣地確保という発想 敵拠点

魔王軍の前進が完全に止まった頃、

前方偵察から新たな報告が入った。


「敵の中継陣地を確認。

 魔力結界で覆われています」


視線の先――

荒野の向こう、半壊した砦跡に張られた、歪んだ光の膜。

魔王軍の補給と指揮を担う、中継陣地だ。


騎士団の将校が歯噛みする。


「厄介だな……

 あの結界、正面から破るなら――」


言葉の続きを、誰もが理解していた。

犠牲が出る。


重たい沈黙の中、

ヴィオレッタが静かに口を開く。


「――奪いましょう」


将校が眉をひそめる。


「……は?」


「壊すんじゃなくて。奪うんです」


全員の視線が、彼女に集まる。


ヴィオレッタは、簡単な地図を地面に描いた。


「結界は前面に集中してる。

 防ぐ対象が“正面突破”だからです」


指先が、側面の崩れた地形をなぞる。


「この瓦礫帯。

 結界が弱い――というより、張られてない」


「……死角か」


「はい。だから――」


彼女は迷いなく言った。


「側面から入って、中枢を押さえます」


騎士団長が一瞬、目を閉じる。

だが次の瞬間、静かに頷いた。


「……やってみろ」


作戦は即座に動き出した。


正面は、あえて動かない。

存在感だけを残し、敵の注意を引きつける。


その裏で――

ヴィオレッタ隊と精鋭数名が、側面を回り込む。


崩れた壁。

結界の光が、そこだけ途切れている。


「通れる」


小声で告げ、侵入。


中は、想像以上に脆かった。


指揮系統が一点に集中し、

“奪われる”想定をしていない構造。


「ここが中枢」


ガイルが前に出て、制圧。

シエラが周囲を警戒し、

ミリアが即座に簡易バリアを展開する。


ヴィオレッタが中枢装置に手を置いた瞬間――

外の魔王軍が、ざわついた。


命令が途切れる。

魔力供給が乱れる。


結界が、内側から崩れ落ちた。


「……自壊、してる?」


敵陣は混乱し、統制を失い、

戦う前に崩れていく。


誰も、倒していない。

それでも――


道は、開いた。


騎士団が無傷のまま前進する。


後方で、誰かが呟いた。


「……勝った、っていうより」


「無傷で進んだ、だな」


ヴィオレッタは魔導銃を下ろし、静かに息を整えた。


(そう)


(陣地は、“壊すもの”じゃない)


(使うものだ)


サバゲーで培った発想が、

この世界の戦争を、確実に変え始めていた。

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