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サバゲー男子が悪役令嬢に転生して、イベント無視でサバゲー極めたら魔王まで倒す物語  作者: 南蛇井


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scene5 レオンへの勅命 ― 王子としての責務

王城・謁見の間。


高い天井。

白い石柱が等間隔に並び、

玉座の奥には王家の紋章が刻まれている。


この場に立つ者は、自然と背筋を伸ばす。


レオンは、一歩前へ進み出て、跪いた。


正面には、国王。

その左右に、騎士団長と王国重臣たち。


空気は、張り詰めていた。


国王は、静かに口を開く。


「レオン・アルディナ」


名を呼ばれた瞬間、

王子としてではなく――


“一人の指揮官候補”として、視線が集まる。


「既に報告は受けているな」


「封印神殿の再起動」


「魔王復活の兆候だ」


レオンは、顔を上げる。


「はい」


その声に、迷いはない。


国王は、玉座の肘掛けに手を置いた。


「王国は、即時対応を決断した」


「これより、討伐遠征軍を編成する」


重い言葉が、謁見の間に落ちる。


「目的は二つ」


「封印神殿の現地調査」


「そして――再封印、もしくは破壊」


騎士団長が一歩前に出る。


「失敗すれば、魔王は完全に復活する」


「その時点で、被害は大陸規模となる」


誰も、口を挟らない。


その沈黙の中心に、

レオンは立っていた。


国王の視線が、彼を貫く。


「レオン」


「この遠征軍の総指揮官を――」


一拍。


「お前に任せる」


その瞬間、

場の空気が、明確に変わった。


それは栄誉ではない。

ましてや褒美でもない。


責務。


否応なく背負わされる、王族の義務。


レオンの胸に、わずかな痛みが走る。


(……来たか)


覚悟は、していた。


いつかは、こうなると分かっていた。


だが――


(思っていたより、早い)


まだ学園に通い、

仲間と戦技を競っていた日々。


昨日までの自分と、

今日からの自分の差が、

あまりにも大きい。


だが。


逃げるという選択肢は、最初から存在しない。


レオンは、ゆっくりと深く頭を下げた。


「謹んで、お受けいたします」


その声は、震えていなかった。


騎士団長が、満足そうに頷く。


「さすがは王子殿下だ」


国王は、最後に言葉を添える。


「忘れるな、レオン」


「これは、王国の命運を賭けた戦いだ」


「そして――」


一瞬、声が低くなる。


「お前自身の試練でもある」


レオンは、顔を上げた。


瞳に宿るのは、恐怖ではない。


決意だ。


(王子として)


(この国のために)


(俺は、前に進む)


謁見の間を出る背中に、

もはや“学園の王子”の影はなかった。


そこにいたのは――


戦場へ向かう、総指揮官レオン・アルディナだった。

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