表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サバゲー男子が悪役令嬢に転生して、イベント無視でサバゲー極めたら魔王まで倒す物語  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/123

scene3 評価の拡張 ― 学園から世界へ

王立エルディナ学園の外、

魔導院中央塔・解析室。


天井近くまで積み上がった水晶端末が、淡く脈動していた。

そのすべてに映し出されているのは、同じ映像。


――学園サバゲー部の訓練記録。


可動式遮蔽物の配置、被弾判定の履歴、魔力消費量の推移。

索敵から撤退まで、すべてが数値化され、再生されている。


「……異常だな」


白衣の研究員が、思わずそう漏らした。


「命中率は突出していない」

「殲滅数も平均以下」


だが、別の研究員が指先で別の項目を拡大する。


「損耗率を見てください」


画面に浮かんだ数値は、ありえないほど低かった。


「被弾後の生存率、九割以上」

「魔力過熱事故、ゼロ」


室内が、静まり返る。


「これは……」

「戦場シミュレーションとして、完成度が高すぎる」


魔導院高官が、ゆっくりと腕を組んだ。


「彼女は、勝ち方を教えているんじゃない」

「死なない戦い方を教えている」


その報告は、即座に王城へ回された。


──騎士団本部。


若手騎士の訓練場で、模擬戦の様子が映し出される。

だが、これまでの討伐演習とは明らかに違っていた。


正面衝突は避けられ、

射線が管理され、

無駄な突撃は即座に止められる。


教官の一人が、苦笑混じりに言った。


「……生き残るな、こいつら」


別の騎士が頷く。


「今までの“討伐訓練”じゃない」

「これは……撤退も勝利条件に入ってる」


議論は、自然と名前の話に移った。


「討伐訓練という呼び方が、もう合わないな」

「“生存戦術訓練”はどうだ?」


その場にいた騎士団高官が、短く肯定した。


「いい」

「戦争は、死に方を学ぶ場じゃない」


そして――


再び、王城内の会議室。


魔導院と騎士団、双方の報告を聞いた重臣の一人が、静かに断じた。


「これは部活ではない」


全員の視線が集まる。


「新しい“戦争の教科書”だ」


その言葉に、異論は出なかった。


誰もが理解していた。


学園の一角で始まった“遊び”は、

すでに世界の戦い方そのものを、塗り替え始めている。


そして、その中心にいる人物は――


肩書きを持たず、

指揮官でも英雄でもなく、

ただ勝ち方を知っている少女だった。


ヴィオレッタ・アルマリク。


彼女の名前は、静かに、しかし確実に、

学園の外へと広がっていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ