scene10 勝利条件の達成
彼女は魔導銃を下ろす。
これは、英雄譚ではない。
最適解を選び続けた結果だ。
ナレーション的締め:
遊びを極めた者が、
世界の攻略法を知っていた。
サバゲーは、
最後まで――“最強の戦術”だった。 小説化
ヴィオレッタは、ゆっくりと魔導銃を下ろした。
引き金にかけていた指の力を抜き、魔力供給を完全に遮断する。
銃身に残っていた微かな熱が、夜気の中で静かに冷えていった。
(ミッションコンプリート)
胸の内で、簡潔な報告が浮かぶ。
(全員生存)
(世界、安定)
それで十分だった。
歓声はない。
誰かに肩を叩かれることもない。
ただ、戦場が――もう戦場ではなくなっている。
振り返れば、仲間たちが立っている。
傷はあっても、誰一人欠けていない。
騎士も、学園生も、王子でさえも、同じ地面に立っている。
勝利とは、こういう形もあるのだと、
誰もが遅れて理解し始めていた。
ヴィオレッタは思う。
これは英雄譚じゃない。
誰かを打ち倒して、喝采を浴びる物語でもない。
ただ――
条件を読み、
ルールを理解し、
最適解を選び続けただけ。
それだけで、世界は壊れずに済んだ。
ナレーションのように、静かな事実が積み重なる。
遊びを極めた者が、
世界の攻略法を知っていた。
撃破数ではなく、
生存数で勝敗を決める戦い方。
サバゲーは、
最後まで――“最強の戦術”だった。
そしてヴィオレッタ・アルマリクは、
誰よりも冷静に、その勝利条件を達成していた。




