scene2 勝利条件の再定義 ― 殺さない最終戦
最終戦の勝利条件を即座に言語化。
真の勝利条件
魔力偏向の流れを分断
神殿中枢の再固定
世界魔力循環の正常化
→ 魔王は“HPゼロ”ではなく、“システム停止”が敗北条件
サバゲー的接続
フラッグ戦
拠点制圧
コントロールポイント管理 小説化
魔力中枢の前で、魔王は静かに告げた。
魔王
「何度でも言おう。
私を倒しても――歪みが残れば、私は再起動する」
その声は挑発ではない。
警告ですらない。
仕様説明だった。
騎士たちが息を呑む。
だがヴィオレッタだけは、眉一つ動かさない。
ヴィオレッタ(心)
(うん。知ってる)
(それ、隠しルートの負けパターン)
魔王の存在を睨むのをやめ、
彼女は神殿全体――床、壁、天井、魔力の流れへと視線を巡らせた。
魔力は、円環を描いている。
中枢を起点に、神殿各所へと分岐し、再び戻る。
歪みは「点」ではない。
構造そのものだ。
ヴィオレッタは、静かに口を開いた。
ヴィオレッタ
「……分かった」
誰に言うでもなく、
だがはっきりとした声だった。
「この戦い――」
一拍。
「殺す必要、ありません」
騎士たちがざわつく。
「な、何を――」
「相手は魔王だぞ?」
ヴィオレッタは振り返らない。
ヴィオレッタ
「魔王は“敵ユニット”じゃない」
「世界システムに組み込まれた、
異常処理プログラムです」
レオンが、はっと息を呑む。
ヴィオレッタ(心)
(今、言葉にした)
(――勝利条件、再定義)
彼女の中で、最終戦の構図が完全に切り替わる。
真の勝利条件。
魔力偏向の流れを分断する。
神殿中枢を再固定する。
世界魔力循環を正常化する。
魔王は――
HPを削る対象ではない。
「システムが止まれば、消える存在」だ。
ヴィオレッタ(心)
(ラスボス戦じゃない)
(フラッグ戦だ)
(それも――)
(複数拠点制圧型)
脳内で、自然と用語が切り替わる。
フラッグ戦。
拠点制圧。
コントロールポイント管理。
敵を倒す必要はない。
取るべき場所を取り、守るべき場所を守る。
それだけで、勝てる。
ヴィオレッタは、魔王を正面から見据えた。
ヴィオレッタ
「あなたは、ここに固定されている」
「つまり――」
「守らなきゃいけない“拠点”がある」
魔王の瞳が、わずかに細まる。
魔王
「……ほう」
ヴィオレッタ(心)
(当たり)
(この最終戦)
(“殺した方が負ける”)
神殿最深層に、
戦いの意味が塗り替えられる。
最終戦は――
殺さないことで勝つ戦争へと変貌した。




