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第9話:始まるべくして始まった内戦

「帝国は呪われているのでは?」

噂は水面に投じられた石のように、静かに、だが確実に広がっていった。



――それが、あの“団体A”の仕業だとされるまで、時間はかからなかった。


敵対する団体と帝国に対しての呪詛をしかけていると

当然団体Aは否定はしたが

この時ばかりと

敵対する主力派は貴族たちを使い

強引に団体Aの本拠地を調べさせる。


調査に駆り出された貴族の私兵が、埃まみれの倉庫を突き崩したとき、そこにあったのは血の乾いた儀式用の円環と、黒い羽根束、そして呪詛を書き連ねた古びた巻物だった。



帝国の容赦のない拷問により

一部のものが自分達がやったと自白した。


もちろん

冤罪である。


が…しかし。

これが帝国最大の過ちだった。


これにより団体Aは弾圧を受けることになる。

容赦ない取り調べなどに、団体A側は抵抗にでる。


そして団体Aの急進派は主力派の長や主力派に加担する貴族の屋敷を闇討ちする。


帝国のあらゆる所に火の手が上がった。


もともとこの二つの団体は折り合いが悪く

一触即発の雰囲気だった。


それが今回の出来事がきっかけとなり火がついたのだ。



そしてその後


この弾圧は主力派による工作だという噂が流れ

火の手を一気に拡大する。


事実上帝都では内戦が始まった。

1万の軍を送り出した

帝国には内戦を鎮圧するだけの余力はもうなかった。


民衆はしだいに暴徒化し

貴族の屋敷を襲い始めた。


―――――――――――――

その頃

帝国の宰相は

火の手があがる帝都を見ながら

ある友人のことを思い出していた。


友人は宰相の良きライバルであり、今は亡き妻の元恋人であった。


宰相は友人が羨ましかった。

自分より身分は低かったが

頭もよく

人に好かれ

そして美しい恋人がいた。


宰相は

人としてはいけない決断をした。


友人は地位を追われ

宰相と恋人の前から去っていった。



「彼はいま、どこで、何をしているのか…。どうにも最近…夢の中まで、彼が出てくるのだ」



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