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『【短編】一夜だけの彼氏 ~クリぼっち卒業への道 THE X'mas~』

作者: まっさー

 始めに「クリぼっち」とは、クリスマスの日を好きな人がおらず1人で(家族は除く)過ごすことを一般的に表す言葉である。



 今日は、世間ではクリスマスイブと騒がれている中私は、クリぼっちで今年もクリスマスを過ごすことになるんだなって思うと寂しさのあまりに泣きそうになっている私がいた。



 すると公園のベンチで寂しそうにしている男性がいたので、少し近づいてみるとその男性は下を向きながら声を出さずに泣いていたので、優しく話しかけてみる。


「あの、突然すみません、大丈夫ですか? 」



「あっ、お恥ずかしいところをお見せしてしまい失礼致しました。僕なら大丈夫ですよ。

 ただ今まで3回告白してきて3回とも僕は、女性の方からフラれたのですが、やっぱりクリスマスイブとクリスマスの日になると普段は、あまり思わないのですが彼女がほしいって思ってしまったんです。

 でも現実にはなかなか上手くいかなくてそれで辛くなってしまったんです」


 私は、彼の話を聞きながらすごく共感できるものがあったため同じくベンチに座りながら自分の辛い話を打ち明け始める。


「それは確かに辛いよね。1回だけならまだしも3回も頑張って告白したけど、3回とも上手くいかなかったって言うのは男性としては辛いよね」


「僕のこの気持ちを分かってくださるのですか? ありがとうございます」


「いえいえ!そう言えばお名前聞いていないよね? 私は、西城さいじょう美憂みゆと言います」


「大変失礼致しました!遅くなってしまいましたが。僕は、上田 さとしと言います!よろしくお願いします」


「私こそよろしくね!そう言えば実は私も同じくクリぼっちなんだよね~ 」


「そうなんですか! てっきりツインテールの髪型をされていて可愛らしい女性だなって思ったので、これから彼氏とクリスマスデートなのかなって勝手に思っていました」


「私は、別に可愛くなんてないよ。昔は回りからはロリ系(ロリータ系の略)って言われていたけど今では一切言われなくなって気がついたら26歳になっているからね」


「僕は、今年で20歳になるので一度くらい恋愛をしてみたいって言う気持ちが出てきてしまったんですよね」


 私は、昔のことを思い出しながら話しているとその時の辛さがよみがえってきてしまいうっすらと目からは涙が出てしまった。


「その気持ちわかる気がするよ。私も19から20歳になるとき彼氏がいなかったけど、この重要な節目ふしめとなるときに恋愛が出来ないって言うので苦しんだことがあったよ」



 すると彼は、私を優しく抱き締めてくれた。


「本当に辛いですよね。でも今は夜ですので寂しさも増してると思いますが今日は、西城さんがご迷惑でなければ僕は、ずっと隣にいますし、今日は僕が西城さんの彼氏ですから大丈夫ですよ」


 私は、彼の言葉を聞いた時すごく嬉しくて辛い涙から嬉し涙へと変わった。


「優しいね。寂しい気持ちが少し消えていったよ、ありがとう! 」


「いえいえ!僕は、なにもしていませんよ。僕の方こそ話しかけてくださって本当にありがとうございます。気持ちがすごく楽になってスッキリしました」


「それなら良かった。 それじゃ恥ずかしいけど抱きついても良いかな? 」


「僕で宜しければもちろん良いですよ! 」


「ありがとう!それじゃお言葉に甘えてちょっと抱きつくね」


 それから私は、ゆっくりと彼に抱きながらこう思っていた。


 出来れば今日だけじゃなくて明日も明後日も、私の彼氏でいてくれたらってちょっと思ってしまった私なのであった。

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