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step7 運命は変えられない

「では、今から夏季親睦遠足の班決めをしたいと思います。決め方はー・・・」

議長さんが言いよどむ。

でも、別に悩んでるわけではないんだろう。

分かりきってるから、言う必要があるのか戸惑ってるだけ。

二、三回議長さんはチョークを持った手を上下させてから、にっこりと笑んだ。

「男女二人ずつであれば、好きに決めてください」


春季親睦遠足では、夏己なつきけいちゃん、吉村よしむら君(夏己の友人)の三人と班を組んだ。

夏己が恵ちゃんとばっかり話そうとするから、わたしは大して面識もない吉村君とずっと話す羽目になり、大変気まずい思いをした。

去年の冬季親睦遠足では、夏己、恵ちゃん、高見たかみ君(夏己の友人)だった。

眉目秀麗な高見君を班に入れたおかげで、わたしと恵ちゃんは女子全員に睨まれ、大変気まずい思いをした。

中学校の新入生歓迎遠足では、夏己がバス酔いしてぶっ倒れて、幼馴染であるわたしと話したこともない保健委員の雪野ゆきのさんがバスに残る羽目になり・・・以下同文。

小学校のときは・・・以下同文。

確かに、いつの遠足も夏己のせいでいい思い出は無いけども、それでも行くまでは確かに楽しみだったのよ?

しおりをもらっただけでわくわくしたし、班決めなんて心臓が飛び出るほどドキドキした。

そう。

だから、こんなことは初めてなのよ・・・。

班決めすら憂鬱な遠足なんて・・・。




昨日の宣言どおり、あやは迷うことなくわたし達の班に入ってきた。

恵ちゃんは喜んでたし、夏己は我関せず、って顔。

昨日ケーキを食べてもらった手前、わたしも追い出すわけにはいかないし・・・。

ぼぅんっ!

「ひやあっ!?」

考え込んでいたわたしの背中に、不意に何かが勢いよくぶつかってきた。

なんの身構えもなしだから、おでこを机にぶつけてしまう。

い・・・ったた・・・。

なんなのよ、いったい。

わたしが憮然とした顔で起き上がり振り返ると、目の前にはでっけえ乳・・・。

じゃなくて、胸が。

「な、な、な・・・」

「あっらぁ、ごめんなさ~い。小さすぎて、見えなかったわぁ」

嫌味たらたらの、甘ったるい声。

小さすぎ、その言葉にむっとして、わたしは相手を見上げた。

「すっごい衝撃で、思わずよろめいちゃいました」

約:あんた重すぎ。痛いんだけど。

思わず、にっこりと嫌味をカウンターでしまった。

巨乳自慢の三坂みさかさんが、ぴくりと眉を動かした。

セクシーダイナマイツの目下の悩みは、余分なところにも脂肪があることだろう。

いわゆるお子様体系なわたしには、自慢じゃないがどこにも肉は付いてない!

ふはははは!

・・・本当に女としては自慢になんないけど。

それでも痛いところを突かれた三坂さんは、綺麗なロングヘアを掻き上げて平静を取り戻したようで、マスカラたっぷりの瞳を細めて、綾に近寄った。

「相沢君、良かったら私達の班に来ない?」

ま、そんなことだろうとは思ったけどね。

媚び媚びのスマイル全開で、三坂さんは胸の谷間を強調するように綾の前に割り込む。

「ちょっとぉ、綾君はあたし達の班にいるんだから!」

恵ちゃんが猛然と抗議してるけど、三坂さん丸無視。

・・・恵ちゃんには悪いけど、わたしとしてはこれで綾が三坂さんの班に行ってくれれば、万々歳なんだよなー。

開いた穴は、別に他の余った人で代用できるし。

多少気まずい思いしても、この最低男といるよか百倍はマシだもん。

「綾、行ったら・・・?」

そう言いながら、ちらりと横目でやつを見る。

途端、わたしは凍ってしまった。

や、やつったら、わたしが見たことも無いような・・・どっかのアイドルみたいな爽やかな笑顔でいやがったのだ!

そんな綾のアイドルスマイルを正面から見た三坂さんは、何故か目を回している。

「ごめんね、もう俺早桜に熱烈に誘われちゃっててさ」

綾がそう言って小さく頭を下げて見せると、三坂さんったら、

「はいぃ~」

なんてへろへろに頷きながら、あっさり帰っていっちゃったんだよ?

「なに、今の催眠術・・・」

「催眠なんて人聞きが悪い。洗脳って言えよ」

そっちの方が危ない気がする。

っていうか!

「いつわたしがあんたを熱烈に誘ったのよっ!」

ここは聞き捨てならない!

下手すれば、周りの女子にあらぬ誤解を受ける羽目になるんだから!

憤然と言うと、綾は悪びれる様子ひとつ見せず

「そんなこと言ったっけ?」

ですって。

「言ったわよぉ!そりゃ、もうはっきりと!」

「俺、記憶力悪いからなぁ」

「嘘つけっ」

わたしと綾がそんなことを言い合っている間に、恵ちゃんがこの四人できっちりと班届けを出していました。

ちーん。



う。

ちょっと短いですかね。

なにはともあれ、次から波乱の遠足編です!

前後編ぐらいになるかなぁ、と思っています。

三坂さん、好きなキャラです。

こういう子、面白いですよねえ。

いやみな感じも、また新鮮です。

また機会があったら登場させたいなー・・・。


それでは、続きもよろしくお願いします。

             瑞夏

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