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初勝利

馬車の扉がきぃ…と静かに開く。


「ゆ、勇者さま。どうかお下がりください」

使者は形勢不利の状態でなお、俺を出そうとはしない。恐らく王国の使いとしてのプライド、俺を無事に送り届けるという使命感からの言葉だろう。

「なんだ?まだ人がいたのか?」

賊が驚きもせずに声を上げる。

「まぁ、関係ねーわな。やっちまえっ」

言い切るか言い終わる前か。言葉尻は切れていた。

「あ…?」

一閃、身体の使い方は剣を通して分かる。今まで剣すら握ったことなかったが、それすら障害にならない。何の問題もない。

数刻遅れて、はじかれた剣が地面に突き刺さる。

賊が剣が己の手を離れたのに気が付いた時には俺の聖剣は賊の喉元に着突き付けられていた。

「…⁉」

賊は一瞬の出来事に未だ状況を飲み込めていないようだ。

「手を上げろ。降伏するんだ。人殺しはしたくない」

本音が出た。聖剣から流れてくる思考は首を刎ねろ。しかし、俺個人の感情でそれを押し殺す。

賊は恐る恐る手を上げ、降伏のポーズをとる。

周りはざわめき、口々に声を上げる敵も味方も問わず、状況が急すぎて飲み込めていないものも多い。しかし、それも数秒までのことだった。

「他の奴らも、降伏するんだ!!」

声を張り上げる。その言葉に賊たちは大人しく従う。明らかに力の差があることに本能でわかったのか、それとも手の甲の紋章に気が気が付いたのか、定かではないがそれぞれが降伏にポーズをとる。

「お、押えろ!!」

使者が指示をすると同時に各員が賊を縛りにかかる。

「ゆ、勇者さまの勝利だぁ‼」

使者が勝どきを上げる。

「おぉ、勇者さま‼万歳‼万歳‼」

歓声が上がった。


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