第5話〜宿での出来事〜
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俺はミケのおすすめの宿に到着した。外観はレンガで直方体で至ってミケらしくもない普通の宿だ。
俺たちが木でできたドアを開けると優しそうなおじいちゃんがいた。
「いらっしゃい、今日はお兄さん一人かい。部屋は二階にあるからな。料金は……」
俺はおじいちゃんの話が入ってこなかった。どうして一人なんだ。おじいちゃんは盲目でミケのことが見えていないのだろうか。さてはこいつ、また透明になる魔法でも使ってんのか。俺はミケを肘でつつく。俺は小声で話す。
「ミケ、何でまた透明になってんの。同じネタ使うとかネタ切れなの?」
ミケは自信ありげな顔で話す。
「どうしてこの老人に私の可憐なる姿を見せなくちゃいけないの?馬鹿なの、この老人、私を見たらあまりの美しさに天国にでもいる気持ちになって、心臓バクバクでそのまま天国行くわよ。」
俺は呆れた。普通にしてれば可愛いのにどうしてこんなにバカなんだろう。
おじいちゃんが俺の顔を両手で挟む。
「お客さん、話をするときは相手の目を見なきゃいけないだろう。こんなことを言ったのは君で二人目だよ。一人目は君よりも若くて10歳くらいだったかな。初代勇者に弟子入りしたとかなんとか。まあ初代勇者と言っても当時は80歳くらいだったけれどね。それはそれはいつも笑顔が絶えない子だったなあ……」
いつまで続くのだろうか。おじいちゃんの話はこのままだと朝まで続きそうだ。
俺は申し訳なさそうに言う。
「すいません、そろそろ部屋の鍵いただけますでしょうか。」
おじいちゃんはやってしまったという顔で話す。
「すまんすまん、とりあえず料金は2000ルビーで、お風呂は外に銭湯があるからそこで入りなさい。」
俺は短剣を買ってお金がないことを思い出す。
「ごめんなさい。お金足りなさそうなんですが。」
ミケが服を引っ張る。
「ケイン、この服渡せばいいんじゃない。」
この野郎。自分は関係ないと思いやがって。でも仕方がないので、この貴族が着そうな服を脱ぐ。この服の下には日本にいた時の服がきてあった。この異世界でジャージかよ。
俺はおじいちゃんに服を渡す。おじいちゃんは俺の意図が分かっていたので鍵と1000ルビーを交換してくれた。流石におじいちゃんはこの服は2000ルビー以上の価値があると思ったのだろうか。だったらもうちょっとお金くれてもいいんじゃないか。そんなことを言える状況じゃないので諦めることにした。ちなみに1ルビーは日本でいう一円だ。そして俺たちは自分たちの部屋に向かった。
部屋のドアを開けるとそこにはシングルベットが一つ、そして机だけがあった。
ミケが俺を押しどけてベットに飛び込む。
「ケイン、このベットふかふかだよ。」
子供かな?でもミケがベットから降りたので俺も飛び込んだ。
そんなことをしてるうちに20時になった。
「ケイン、そろそろ銭湯に行こう!」
俺たちは外にあるという銭湯に向かう。この銭湯はこの宿の付属ではなく自営業でやっているところだった。だから当然宿代と別にお金がかかる。俺はミケに500ルビーを渡して別れた。
異世界の銭湯は日本の銭湯とほとんど同じで気持ち良かった。でも一つ文句を言うなら富士山が飾ってないのがだめだあ。
俺はのぼせるのが嫌なので先に上がって待っていた。ミケが戻ってきたので俺たちは部屋に戻った。
俺は部屋に戻るとすぐにベットに入ろうとしたが、ベットが一つしかないことを思い出し、入ろうとするのを躊躇った。それがダメだった。ミケは躊躇せずに入りやがった。
ミケは勝ち誇った顔でいる。
「ケイン、ここは私の領域だから他のところで寝てね。」
このガキ。仕方がない薄々気づいたし。異世界だからって言って美少女と同じベットで一夜を共にするなんて許されない。
「ミケ、分かったよ。俺は床で寝るからせめて布団はちょうだい。」
「嫌なんですけど、夜は滅茶苦茶寒くなるし。しょうがないわね、じゃあ一緒に寝る?」
突拍子もないこと言いだしやがった。俺は自分の顔が赤くなってることに気づかないわけなかった。
こんなこともう一生ないだろう。
ミケが俺の手を引っ張ってベットに引きずり込んだ。
俺はすぐさま壁側を向いて目をつぶった。
30分ぐらいだろうか。隣から寝息が聞こえだした。
さすがに神経ずぶとすぎだろ。俺のこと信頼してるんだな。俺は目をつぶったものの、逆に嗅覚が優れて寝れなくなったり、時々ミケが寝返りを打つ時に俺の背中に当たってきたりして寝れるわけがなかった。
日の出が出て日差しが部屋に差し込む。そしてミケが起きる。
「ケイン、おはよう。」
俺は寝不足で答える。
「おはよう……」
一つだけ言っておこう、俺は無茶苦茶耐えた。
そして俺たちは入学試験の結果を見に行くのであった。
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