Count 27 サーベルタイガー(長伝寺達磨)
「無駄な抵抗はするなよ。さっさとそのブレスレットをよこせ」
そう言ってキリンくんが、私の頭にゴリゴリと銃口を押しつけてくる。
ちょっと! ハゲたらどうしてくれるのよ! っていうか、アナタ生きてたのね。ケガは自分で治療したの? え、勝手に直った? 意外とタフって言うのか、人間離れしてるって言ったらいいのか……。
「いい加減に黙れ。こいつで撃たれたくないならな。こいつはルガー・スーパーレッドホーク454カスール。44マグナムなど比べものにならない、防弾チョッキも紙くず同然の凶悪なハンドガンだ」
言いながら得意げにカキッとハンマーを起こす。
だいたいどこに持ってたのよ、そんなの。えっ、七つ道具に入れてた? だったら早く使えばよかったじゃない。拳銃は最後の武器だってどこの忍者よ?
スペックもどうせ映画の受け売りなんでしょ? またそんな中学生みたいなセリフ……って、ああ、アナタ学校行ってないんだったわね。ゴメンなさい。
「う、うるさいうるさーい! 何度も何度も皆でそればっかり言ってくれちゃってさぁ!」
はいはい、私が悪かったわよ。
だけどブレスレットでどうするつもりなの?
「向こうに転移魔法陣を書いた。いつでも脱出可能だ。吾輩に魔子さえあればな」
たしかに魔子は手に入るけど、管理者を自己都合で辞めたアナタに魔法が使えるとは思わないんだけど? ……まあ、何を言っても無駄か。
私は合着のブレスレットを外して、少し離れた所に投げる。
銃口を私に向けたまま、それをキリンくんが拾う。そして一目散に走る! 戦ってる2人を横に見て。ちょっと、アナタどこに魔法陣書いたのよ?
気づいた安里ちゃんが驚いてキリンくんを見る。
「え? オ、オジサン? 生きてたの? 何で」
「あたり前だろう! 大魔王のゴキブリ並みのしぶとさをなめるなよ」
「ゴ、ゴキブリって……言ってて情けなくない?」
「何も問題ない! 生きていれば何でもできる。偉人の言葉だ覚えておけ、ダーッ!」
「誰それ? ボクそんなの知らないってば!」
コラコラ、いいから安里ちゃんは海竜鬼に集中して頂戴!
「は、はいッ!」
それなのに急に走るキリンくんの足が止まる。目の前にいるは……天竜鬼?
「お前も吾輩の邪魔ばかりしおってからに……いいザマだな! この役立たずめが、このっ! このっ!」
何を思ったかキリンくんが突然天竜鬼の頭をげしげしと何度も踏みつける。
馬鹿! 何やってるの! そんなの構ってないでとっとと先に行きなさい! 虎の尾を踏むって言葉、アナタ知らないの!
魔法使いのキリンくんが攻撃したら、また起動ちゃうでしょうが!




