Count 18 赤い鬼、青い鬼
麒麟人の左右に2つの魔法陣が出現する。
魔力雷が生じ、そこに膨大な魔力が流れ込んでいるのが分かる。
「まずいわね……2人とも! 一旦ここを離れるわよ。ほら早く!」
「遅い、遅すぎだ! 召喚はすでに成された。見るがいい!」
魔法陣の中に、赤銅色と青銅色のメタリックな2体の人造竜人が立っている。
いや、角が生えているから鬼か?
「円東寺クン、何なのアレ? タイラントとまるで違うよ。なんか恐い……」
巫子芝がオレの腕をぎゅっと掴んでくる。震えるその手にオレも自分の手を重ねる。
オレたちのその様子に、アイツは暗い歓喜に酔って笑う。
「当然だ! こいつらは天竜鬼と海竜鬼。誰も止められはせん。管理者である吾輩以外はな! 魔子がすぐ手に入らないのは少々残念だが、お前らがくたばるまで吾輩は高みの見物……むっ? なぜ発動せん!」
麒麟人は魔法陣で転移しようとしたが、発動しなかったようだ。
「おい、どういうことだ! 何とかしろ!」
天竜鬼の肩に麒麟人が手をかける。
「あっ、馬鹿! 何やってるの、離れなさい!」
タツコさんが言うがすでに遅く、天竜鬼はその手を掴み何の躊躇もなく腕をへし折った! 絶叫する麒麟人を地面に投げつける。汚れたシャツを洗濯機に放るかのように。石畳に転がる麒麟人は腕が折れ曲がり、肩は脱臼して伸びきっている。それでもちぎれてないだけましか。
呻く麒麟人を今度は海竜鬼が足で仰向けにして、脇腹を容赦なく蹴りつける。口から血が噴き出す。あれはさすがにまずい。
しかし悪いがアンタを助ける余裕はないみたいだ。天竜鬼がこっちに向かって歩いて来ているからな!
全員急いで南の魔力塔へ! とりあえず五星王は時間を稼いでくれ!
そうしてオレたちは魔力塔の地下に逃げ込んだ。
あれは絶対ヤバイ。ガチなやつだ。
タツコさんはあいつらの正体を知ってるみたいでしたけど。何ですか、あれ。
「あれは【救済】の執行者よ。どうにかして止めないと、【きみなぐ!】は……消滅するわ」
本当にガチでヤバイやつだった!




