Another +1 Anri in wonderland " KIMINAGU" 13
Mars stargate(火星王の門)
<流石ノ手練ト誉メテオコウ。ソレデモ我ガ主ニハ届カヌ! コノ【禍炎】ノ錆ビトナルガヨイ>
ボクの前にいるのは歌舞伎の鏡獅子を思わせる派手な衣装に隈取り、そして長槍を手にした……アンチュー火星王?
<間違いなく火星王だニャー。日本観光の外人さんじゃないニャー。言っておくが見かけに騙されると痛い目を見ることになるんだニャー>
それはこうしているだけでも伝わってくる。冷や汗が止まらないよ。
『ちょっと大丈夫? やれるの、安里ちゃん』
うん、やれるよタツコさん。火星王の強さは騎士じゃなく将軍クラスだ。自分の中のギヤを一段上げる。ちょっと本気を出すよ!
笛と鼓のBGMが聞こえてくるなか、火星王とのバトルが始まる。手にしている長槍、【禍炎】を頭上で回転させると青白い鬼火が出現してこちらに突撃してくる。それを白帝山羊の水属性の加護で捌きながら引く槍に合わせて前に出る。くっ、でも早い! 簡単には懐に入らせてはくれないね。スライディングキックも出鼻をくじかれてしまう。
そうした一進一退を繰り返しながら、どうにか飛び込むタイミングを狙う。ボクにはこれしかないからね。だけど捌ききれなかった鬼火が直撃する。しまった! そこを狙って炎をまとった【禍炎】が気合いと共に強襲する! ダメージ覚悟で後ろに飛ぶしかない。そう思って腕を交差させるボクに誰かが話しかけてくる。えっ? これは……アンリミテッドなの?
『畏れないで心を委ねて! 【わたし】も力を貸すから!』
ボクと彼女はその瞬間重なった。槍の動きがゆっくりはっきりと見える。紙一重でそれをかわして前に出る。火星王の懐に飛び込んで脇腹に左右から肘を叩き込む! アンリミテッド本来の必殺技【ツインランサー】だ。
だけどまだ足りない! そこから【春雷】で顎を跳ね上げて追撃の跳び膝蹴り。それと同時に後頭部に肘を落とす。こっちはボクの必殺技【虎噛み】だ!
<ウオォォォン>と叫んで火星王が光に変わり霧散していく。やったね! ありがとう、リミちゃん!
『リミちゃん? まあ可愛いからいいけど』
だってあなたもアンリじゃ困るでしょ? 誰かは知らないけど、きっとたぶん。
『……まさか今のは【異財】……もう覚醒したの? 早すぎない?』
<まだその片鱗、さしずめ異才といったところだニャー。……まあマスターの嫁になるならそのくらいやれて当然ニャー>




