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ペンギン三兄弟

ペンギン三兄弟 〜 32話 まんじゅうと神様 の巻

作者: たかはら りょう

ペンギン三兄弟


チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。

    サングラスをかけている。つぶあんが大好き。


ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。

     収集癖あり。


ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。

     日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。




ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。

今日も仲良く暮らしています。



ゴンが大きなキャリーケースをガラガラ引きずって家に帰ってきました。

ゴン「ただいま〜」

ドン「おかえり〜」

チャン「ゴン、どこ行ってたの?」


ゴン「広島から帰ってきたよー」

ドン「おつかれさま〜」

チャン「広島で何してきたの?」


ゴン「あれ、言わなかった?広島の水族館でキャラクターのバイトだよ」

ドン「今回はゴンだけ声がかかったんだよね」

チャン「それはおつかれさま」


ドン「おみやげは?」

ゴン「もちろん買ってきたよ。広島のおみやげと言えば?」

チャン「もみじまんじゅう!」

ゴン「あたりー」

ゴンはキャリーケースから菓子箱を出しました。


ドン「あ、そういえば、さっき大家さんに会ってね、これもらったんだ」

ドンも菓子箱を持ってきました。

チャン「おお、これは人形焼きじゃないか」


ゴン「じゃあ、食べ比べしてみようよ」

ドン「いいねえ」

チャン「賛成!」


3羽は、もみじまんじゅうと人形焼きを両手に持って、パクパクと交互に食べました。


チャン「どっちもウマイ。あんこがたっぷり入ってる」

ドン「もみじまんじゅうの方が皮が厚いね」

ゴン「うん、人形焼きの方があんこの味が濃いかなあ」

???「おお、これはなつかしい!人形焼きじゃないか」


チャン、ドン、ゴンは、一斉に声をあげました。

「だれ〜っ!?」


テーブルを囲んで、3羽のほかにもう1羽、白くて長いヒゲをはやしたペンギンが座っていたのです。


???「これはこれは、驚かせてしまったなあ。わしはこの家に住む神様じゃ」


チャン、ドン、ゴンは、また一斉に声をあげました。

「かみさま〜っ!?」


神様「この人形焼きがなつかしくて、ついつい出てきてしまった」


チャン「まあ、おひとつどうぞ」

ドン「お茶も入れましょう」

ドンは急いでお茶を入れて持ってきました。


ドン「さあ、どうぞ。茶柱も立てておきました」

神様「これはこれは、ご丁寧にどうも」


ゴン「もみじまんじゅうもおいしいですよ、どうぞ召し上がれ」


神様「まんじゅうを食べるなんて、何十年ぶりかのう」

神様は、おいしそうに人形焼きともみじまんじゅうを食べて、お茶をすすりました。


チャン「この家に神様が住んでたなんて、ちっとも知らなかったなあ」

ドン「ほんとほんと。神様に会うの初めて」

ゴン「いったい、この家のどこにいたんです?」


神様「屋根裏ですよ」


チャン「それは窮屈だったでしょう」

ドン「よかったら部屋に降りてきていいですよ」

ゴン「散らかってますけどね」


それから3羽と神様は、人形焼きともみじまんじゅうの違いに始まり、

神様の昔話や、ゴンの広島での話や、

大家さんの噂話まで、ワイワイと話に花を咲かせました。


いつの間に眠ってしまったのでしょう。

3羽が目を覚ますと、朝になっていました。


チャン「あれ、たしか昨日、神様がいたよね」

ドン「どこ行っちゃったんだろう」

ゴン「ねえ、手紙があるよ」


テーブルの上に神様からの手紙がありました。


『お茶とまんじゅうをごちそうさま。そろそろ引っ越すとしよう。さようなら。貧乏神より』



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