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青い空の紅と青〜短編集  作者: 鈴原ミオ
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STORY〜神様を嫌う少年の話

前のSTORY〜カイトの話とリンクしている部分もあります


カイトともう1人の少女の話も出すつもりです

君達はこの世に神様なんていると思うかい?

僕はいるのだとすればその神はかなり酷い神様だと思うんだ。

そうだねまず僕は狂っているだろう。それは認めよう。周りからも言われるからね。ああ……だが昔からそうなのかと言われれば僕は全くそうじゃない

昔は本当に普通だったんだ。いや普通と言われても分からないか

そうだね君たちが毎日当たり前のように過ごしている日々を、家族がいて友達がいて、そして学校に行って馬鹿をして沢山遊んで…僕だってそんな生活をしていたんだ

だがある日それは叶わなくなった

今思えば些細なきっかけだったよ

なぜだと思う?


僕と名も知らない誰かの呼吸音だけが聞こえてくる

そんなことを無視して僕はまた淡々と話し始めるのだ


今日は僕の昔の話をしてあげる。

なあに君とっては退屈かもしれないけどまあどうせ死ぬんだから僕の話聞いてくれたっていいだろう?

なに?そんなに怯えないでよ

僕の昔話、死ぬ前に聞くには面白いと思うよ

ははっじゃあ話始めようか





僕の名前はカイト・○○○○

苗字が聞こえない?気のせいだよちゃんと言ったもの

あー

わかったわかったもう一回言うよ


カイト・





だよ?聞こえたでしょ?

えっ?なんでお前のようなやつがね

うーんどうしてなんだろうね

僕の昔話を聞けばわかるんじゃないかな?

まあ続きを言うね

僕は当時ただの子供だった

普通に育ってたし普通の家だった

母は…いやお母さんはとても優しかったし僕達のことを大事にしてくれてた


んっ?僕達?他にいるのかって?兄弟?

僕には兄弟は居ないさ

あーユリの事だよユリ

ユリ

長髪の赤髪の女性…僕にはいつも笑いかけてくれる人さ。そして僕といつも何があっても一緒にいてくれる人。


僕のただ1人の大切な人


お母さん以外のとても大切な人。もう僕にはユリ以外の家族は居ない。

どうしてかい?

そうだね

君は"魔女狩り"というのを知っているかい?

僕達の住んでいた村ではね

魔女狩りが行われたんだ


ふふっあははははっ


どうしてそんな悲しそうな顔をするのさ

もしかして僕が今から言いたいことの予想がつくのかい?

ああなら言ってあげるよ

そうだよ

僕の家族は魔女狩りにあったんだ

それもとても理不尽な理由でね


そうだねとりあえずまず魔女狩りってのは、魔女または妖術などの被疑者に対する訴追や裁判や刑罰みたいな迫害の事。

でも正直なところこんな平和な所に住んでいた君たちには分からないだろうし、君たちは今普通に魔法を使って生きているだろう?

まずそうだね…

僕の住んでいた村はね東の端の方にあった村でね、魔法を使えたらダメだった……まだ魔法についての技術や知識、認識がしっかりしてなかったのさ

だから僕達家族は魔法を使うことを全くしなかった

ましてや僕は昔西の街居た。その西の街では魔法は当たり前だったからね普通に使えたさ

だけどお母さんに言われたんだ

"この村ではね…魔法を使ってはいけないの"

僕がどうして?って返すとこう言われたよ

"この村には魔法の文化がないの

だから使ってしまうと魔女(魔男)と言われて迫害されてしまう。だから使ってはダメよ"

僕はそれを忠実に守ったその村が大好きだったし村人はいい人達だったからね

そしてそれはユリもそうだったんだ

そうそのままずっと生活してれば良かったんだ

あの日まではね


あの日そうさ僕は全てを失くしたそして切ったんだ

今から10年ほど前かな当時の僕が村にいた時流行病が流行ったんだ。

僕達家族はいやお母さんは僕達や村の人達のために使えないと言っていた魔法を使い治療した

彼らを守るためにね。

そして彼らはお母さんに感謝して魔法についての理解を深めようと様々なことを母から学び生活に取り入れていこうとしたのさ

そこまでは良かった。母も僕もユリもみな理解を得れたことをよく思ったからさ

だけどいい話はそこまでだった。

ある日母の魔法でも直せないものが・・・治癒が出来なくなってきたのさ

それで村の人々は怒った

母が・・お母さんが・・そうさせているじゃないのかって・・魔法を独り占めしているのではないのかと

そんなことするはずもいや出来るはずもないのにね。みんな理不尽さ

ぼくたちの家の魔法にはそんな…そんな力なんてないのにさ


僕達のせいにした。僕達は何も悪くなかったのに。


少し間を置き僕は息を吸う。

ああこの話をするのは本当に久しぶりだよ


……睨まないでよ・・悪い話ではないからさ

ただ君が逝く前に知っていてもいいだろう?ただの男の戯れ言みたいなものだから


何が言いたいのか?うーんそうだね

みんな理不尽って事さ。病気が流行るまでは僕達は隠して過ごす肩身の狭い思いをしていた。なのに使い始めてから少したってそれで独り占めしてるだろ?だってさ、、、笑わせてくれるよ本当。


幼かった僕も僕なりに調べたのさ。なぜ住人が魔法が使えないのかをね。そして導き出した答えは

彼らには僕らほどの

"魔力"

がなかったのさ

そして強い魔法を使えるほどの力もね

だから母が使える魔法が使えなかった

僕達は説明した

魔法には付いての原理。人によって変わるって事も魔法が全く使えないひとだって居るってことも・・なのに彼らは聞きもしなかった。

毎日毎日酷い誹謗中傷の嵐さ……魔法を奪った略奪者(マローダー)だってね


ある日事件が起こった

街の村の領主が母に対してこう言ったのさ


"お前を、略奪者(マローダー)として捕まえる"


"お前達は我々から魔法を奪った。お前を捕まえ殺せば全ては元に戻るだろう"


"子供たちは逃がしてやる。ただしお前が反抗しなければの話だがな"


ふはっあはははっっははははっ……

本当に馬鹿げてるよ


僕達は


何も悪くなかった


なのに

どうしてどうして……母は僕達を守るために殺された


「お母さん!!お母さん!!どうして!!お母さんは悪くないよ!!やめてよ!!

お母さん!!」


台の上には首を差し出した状態の母が居て僕はいや俺とユリが母を見ていて……

「カイト・・ユリ・・守ってあげれなくてごめんね……生きて。何があっても。またね」

母が微笑む

やめてよ……俺まだ何も!!

何も返してないよ!!

「お母さん!!俺!!まだお母さんに!!!何も出来てないよ!!まだ何も出来ないよ!やめてよ!奪わないで!!家族を!!!」

僕がそう叫ぶと母は

ニッコリと微笑みながら僕にこう言った

「カイト。生きて。笑いなさいそれが私の……私達夫婦の願い…」

母はニコッと笑いそして振り上げられた刃物が下ろされる

「お・・母さん」


「嫌だ!!嫌だ!!!嫌だ!!!!やめて!!やめてよ!!



お母さんっ!!!」


その後の事は覚えてない。母の遺体を土の中に埋めてすぐにユリと共にその村を出た。

いつか必ず復讐する事を誓って


その数年後僕は叶えたその夢をね

僕達の復讐は終わらない。決して奴らを許さない!!もう二度と僕と同じような気持ちをユリやほかの仲間にさせない。



これが僕の昔さ意外だったかい?

いや。復讐者の原点誰も知らない僕の物語

少しは楽しめたかい?

じゃあ

ありがとうね


ここでさよならしよう


またいつか君と出会う時までね





長いお話でしたが読んでくださってありがとうございました

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