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青い空の紅と青〜短編集  作者: 鈴原ミオ
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STORY〜ルチアーノ 特別を嫌う少女の物語

いつも笑っている女性。

ルチアーノ・トリエステ。

彼女の笑顔はまるで光のように儚い

そんな彼女の名もなきそ組織に入った時のお話


-私は特別じゃない-

何度もそう言い聞かせていた


腰まで届く銀色の髪、緑色の目どこにでも居るような見た目でむしろ大人しいであろう性格、それでも私はほかの人と少し、いやかなり違うようだ。

街・・いや村と言った方がいいだろう

私の住んでいる名もない村・・いや村の名前はあるらしいのだが大概に私が興味が無いだけなのだ。こんな村どうしたら好きになるのか。


私には普通あまり有り得ない特別な能力がある。そしてこの村の人たちは特別な力・・魔法の"属性"を二つ持つ私を気味悪がった。

祟りだとか、呪いだとか。

普通は一つしか持ち得ない力を二つ持っているそれは凄く気味が悪いのだろう

そして笑っている人達に私はいつしか、嫌になっていったのだ

私が村の中を歩けば人は避ける。買い物をすれば早く出ていってくれと言われる

私は他の人と何が違うのだろうか?ただ少し力があるだけなのに。何故こんな扱いを受けなければならないのか・・幼い私には特別を嫌う彼らの気持ちは分からなかった

そしていつからか笑えなくなった


「ただいま・・」

ドアを開け中に入り頼まれていたものを机の上に置く

いつも通り、お母さんからの返事はない

やっぱり返事もしてくれないのか

「・・・出かけてくるね」

ドアの向こうにいるはずのお母さんからの返事はない

これが私のいつもと変わらない日常だ


村の近くにある名もない森(知らないだけなのだが)、そこが私の唯一の居場所。私はいつも1人でこの森の奥に行く

13の頃に見つけたこの場所は私にとってとても大事なものだ

雨風防げる木の上に木を切って乗っけて作った自分だけの部屋で簡素なものだが私にとってここだけが唯一落ち着ける場所。

その上にごろんと寝転がり目をつぶるそうすると睡魔が襲ってくるのだ

睡魔が来るとやって来る強い記憶

私はそれらを無視していつの間にか眠っていたようだった


--お前は・・・んだ!!--

-気持ち悪い!どうしてこんな子が私達の・・なの!!-


「っ・・!!ゆ・・め??」

身体中から嫌な汗をかき気持ち悪い

乱れた髪を直し辺りを見回すともう日が落ちかけていた

「そろそろ帰らないと・・」

座っていた所から立ち上がる。

帰るのが憂鬱になるくらいの嫌な夢を見たと思った

私は1人で夕暮れの道をテクテクと歩く

この森も本当は1人で立ち入っちゃ行けないけど私は何も言われない。どうせなにも言われないのなら自由にしようと思って好き勝手に出入りしている

「今日も馬鹿みたいに晴れてる。こんなにも私には晴れてくれないのに」

ぼそっとつぶやいた言葉が空に舞う

風が吹きまた余計に虚しくなる

早く帰らないとまた文句を言われるそんなことを思い歩き続けた


村に着くといつもなら誰もいないはずだった

夜は危ないから誰も外に出ない・・・だからわたしも安全に帰れたのにどうして今日に限って誰かがいるの?

「お前!!何処に行っていた!!これをしたのはお前か?!いや!お前だろお前しかいないんだ!!!」

見せられたのは動物の死骸

切り刻まれたものだった

「ひっ・・っ!!」

悲鳴が出そうになった所を頬を叩かれる

「お前しかいないんだよ・・今までどこにいた?」

村の人達は私に向かってそう行ってくる

この人達は何を言ってるんだろう?

私は今まで森にいたしそもそも私は生き物を殺すのが好きじゃない

「私じゃないです。今まで森にいましたから・・・」

そう言うとまた頬を叩かれる

「嘘をつくな!!お前しかいないんだよ!!!それに森にいたぁ?あの森は入っちゃ行けないんだよ!!」

それ以上は頭に入らなかった

ただただ悔しくて

目の前にいる人達がどんどん人に思えなくなっていく

崩れていく自分の中の村。我慢してきてた物が溢れだしてきた気がした


-この人達は人じゃない-


もういい・・こいつらには何を願っても変わらない。ならいっそこの手で


-殺してしまおう-


そうだそうすればいいそうすればもう

苦しまなくて済むんだから

私は間違ってるのでしょうか?

ねぇ、もう人の顔としても見れない昔の両親。私は間違ってないですよね


私は目の前に手を伸ばし呪文を唱えようとする

言葉として話そうとした時だった

突然大きな音が響いたのだ

警報音にも誓いその音は村中をあっという間に包み込みみんな耳を塞いでいた

そして次に聞こえてきたのは悲鳴だった

醜い声がたくさん響く

そうして気づいた時には目の前に緑色の髪の人がいた

その人は私にナイフを向け刺そうとしてくる


-そっか私は死ねるんだ。やっとこの苦しみから開放されるのか-


そう思った時だった

目の前にいる人のナイフが止まった

「なぜ。泣きながら笑う?」

目の前にいる彼は聞いてきた

言われてから目付近を触ると確かに濡れていてたしかに泣いていたようだ

「な・・いてる・・?どうして・・もう泣けないって思ってたのに・・」

「無自覚なのか?お前は死ぬのが嬉しいのか?このまま行けば確実に死ぬ。それでも笑うのか」

「この苦しみから開放されるなら。たとえそれで死んだとしても

それで、あなたは私の事を殺しますか?」

まだ大丈夫だったのかな。私って笑えたんだね。久々すぎて何もわからない

目の前の人は何も言わない。ただじっと私の事を見つめてくる

目の前に居た人はナイフをすっと下ろして後ろを向いて歩き始める

「まって!!どうして!!」

自分のものとは思えないほどの大きな声で私はそう叫んでいた

「僕は死にたがりの死ぬ手伝いをしたい訳じゃない。それにお前は絶望を知っている目をしている。僕は僕と同じやつを殺すことはしない。死ぬなら勝手に死ねばいい」

目の前にいる緑の髪の人はそう言って去っていき暫くすると、遠くから悲鳴が聞こえて、その中私は独りでただ佇む

どうして、私には死ぬ権利すらないのですか・・・

また何分の時が経ったのか分からない遠くから何かが叫ぶ声が聞こえてくるのだ

私はその声のした方に走っていく

そこには何人かの村人がさっきの緑の人を囲っていた

そして囲っていた村人が私に気づき声を上げる

「ルチアーノ!!お前何をしている!!早くこっちに来るんだ!!」

そう、声を挙げたのはさっき私の頬を殴った男で。足がすくむ。うまく動けない。

「お前ならこいつらに!!逃げられないうちに早く!!」

そいつは私を見て叫ぶ

「うっ・・うるさい!!!もう嫌だ!!!私は!!!!」

「お前は俺たちに歯向かうのか?!生きてる価値も欠片もない女が!!」

「何がルチアーノだ!!!何が光だ!!どこが・・・!!もうこの先ずっとこのままならいっそ・・・」

両腕を上にあげ私は続ける

「お前達を殺して私も死ぬ!!!」

私がそう叫ぶと彼らは何も言わないでこっちを向く。沈黙が続き何も音がなくなった時笑い声が聞こえてきた

「ははっ・・あはははははは!!面白いなぁ君は・・・そんな絶望の目をしているのに名前は-ルチアーノ-光なんてね・・・」

彼は笑い続けるそして私はその笑い声を無視して村人の方に向かう

「ねぇ。僕の所においでよ。名もなきものの中に光・・か、いいじゃないか。それにその目も気に入った。君は生かしてあげる。僕と一緒に来るんだ」

目の前にいる男は私の方にゆっくり歩きながらそうつらつらと話す

「あれ?聞こえてないのかな?君は僕と一緒に来るだよ」

その人は私の前に立ち手を差し出す

何をしてるんだろこの人は目の前にその人の顔が来てビックリする

「この手を握れば君はもう僕からは逃げられない。この地獄から抜け出したいんだろ?さあ一緒に来るんだ」

私は・・・どうしたいのだろう。

私は・・ワタシハ・・この人の手を掴めば"自由になれますか?"

「君を自由にしてあげる。この村からね・・・」

その言葉か決め手だった。私は彼の手を握る。この人が居るなら私は自由になれるんだ。私はこの時初めて自分自身で道を選択した気がした

「いらっしゃい君の名、本当の名を君の声で教えてくれるかい?」

「私は・・ルチアーノ・トリエステ

貴方は私の光、私はあなたの組織の光になる」

「合格だ。宜しくルチアーノ。僕はカイト。苗字は忘れた。カイトと呼んでくれて構わない」

そう言うと彼はくるっと振り返りこう言い放った

「さて。これでルチアーノはこっちの味方だ。武器を失った君たち何が出来るかな?はははは滑稽だよ。他人の価値を下げるようなバカたちにはいい最後さ」

カイトはそう言いながら村人を追い詰めていく

「本当は僕が手を下してやってもいいんだけどここは彼女の方がいいかもね

どうだい?君が殺すかい?」

カイトはくるっとひっくり返りこっちを向くそして私にナイフを渡す

「カイト……いえカイトさん私にチャンスを下さってありがとうございます

今日をきに私は昔の私と決別する!」

私はナイフ彼らに向け切り刻んでいく。本当はこんなことに使うつもりは無かった身を守るための武器を扱う力。彼らを守るために教えられた剣術。魔術全てを駆使して私は倒していく。

そして最後の一人になった時に、にっこり笑いながら


「私は"幸せ"になれる

さようならみなさん


今までありがとう」


最後の一人の叫び声が聞こえなくなると音も響かなくなる


「さて行こうかルチアーノ。ユリも待っている。僕の仲間を君に紹介するよ」

「はい!カイトさん」



これは特別を嫌ったとある少女が自分の居場所を見つけたお話

特別を嫌う

ルチアーノ・トリエステは複属性魔法使いという特殊な力をもつ魔法使いでその為に本人が知らないうちにむらの人にいいように使えるように育てられてたんです

でも彼女はそれを無意識に嫌い嫌がり自分が嫌いだった

けどカイトに出会ったおかげで自分という存在を認めて貰え大切な仲間と出会ったというお話でした!

書くの難しいかったです(>_<)

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