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……神の前に人は無力ですよ

「シッシッシッ」


 入室した魔獣神は調子の外れた、笑うような、変な鳴き声を発すると、ウィル、セラ、ユリィ、リタはいぶかしげな顔をする一方、フォケナスは顔を思いっきりしかめている。


「マズイですね。これは明らかに酔っています。おそらく、カヴィたちが面白半分に飲ませたのでしょう」


「シッシッシッ」


 フォケナスがそう推測する間にも、変な鳴き声を発しながら五人に近づく魔獣神の足取りは、少し千鳥足気味であった。


「我が神は酒に弱いのですよ。だが、それ以上にマズイのは、我が神は酔ってしまうと、股間に頭をこすりつけてくる、変なクセをお持ちなのですよ」


「ちょっと待てやっ!」


 魔獣神の奇癖を告げられたウィルはそう叫ぶが、当然、魔獣神の歩みも止まらねば、千鳥足がしっかりとすることもなかった。


 フォケナスの薫陶と教育よろしく、カヴィたち十人の子供は年の割にはしっかりとしているが、子供らしいイタズラ心がないわけではなかった。


 料理に使う酒をフォケナスの目を盗んでくすねたのも、その酒をだまして魔獣神に飲ませたのも、酔った魔獣神の奇癖で新たに共に暮らすようになった十人がびっくりするのを見るのも、ちょっとしたイタズラのつもりなのだろう。


 無論、カヴィたちも魔獣神の奇癖の犠牲になったのだが、彼らからすれば変なじゃれ方してくる程度のもので、最初に驚いただけだ。


 それはウィルたちも同様で、股間に突進してくると告げられた四人は慌てて距離を取ろうとするが、


「シッシッシッ」


「あの~、体、動かないんだけど?」


「……神の前に人は無力ですよ」


 ウィルの訴えに対して、同じく体の動きを封じられたフォケナスが、諦め切った表情と声音で答える。


 その邪悪な力で動きを封じられた五人の内、


「……きゃっ、止めてください」


 おそらく、最も近くにいたという理由で、魔獣神はまずセラに飛びかかり、その小さな体であっさりと押し倒すと、彼女の股間に頭を埋め、小刻みに動かし出す。


「きゃは、はひゃひゃ、や、止めしぇくだしゃ、あっ、はうっ、そこはダメです。そんなに奥に来ないで……ああんっ、んあっ、きゃっ……」


 最初はくすぐったそうな声を出していたセラだったが、何かそこに色っぽいものが混じっていき、思わずウィルはゴクッと生ツバを飲み込む。


 役得と不埒な邪念がよぎる若いウィルだったが、それも若くないどころか、千年以上、生きて枯れているのか、


「ちなみに、我が神は頭をこすりつけた際、大きな異物感があると噛むので、その点は覚悟してください」


 フォケナスの淡々とした警告で吹き飛び、別の意味で生ツバを飲み込む。


「それって……」


「安心してください。万が一、噛み千切られても、私が元に戻してあげますから」


 フォケナスは最悪の事態だけは回避できると告げるが、一気に青ざめるウィルには慰めにもならない。


 やがて、セラの股間を堪能した邪神は頭を上げ、その視線は怯えるウィルの股間を捕らえた。



次の更新は主人公パーティのステータス紹介となりストーリーの続きは次の次の更新となります

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