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第一話 幻想世界の因果関係―1

ブックマークありがとうございます!

そしてごめんなさい、プロローグからガラッと雰囲気変わります。

剣と魔法の世界メルシア

そこでは強大な魔王の脅威に日々怯えて暮らす民がいました。

これは魔王を打ち倒すべく、人々の心に希望を灯し、未来を切り開く勇者の物語


ここは仄暗い深き森の中、木漏れ日と言うにはいささか暗すぎる森の中を勇者一行は歩いていた。

「しかし……思ったよりも四天王とか言う連中は弱かったな」

騎士のケインがふとそう言った。

「気を緩めてはなりません。まだ四天王は三人も残っているのですから」

聖女のメルスが嗜める。

「大体今回勝ったのは、ボルク山のイフリートの力があったからでしょうに」

魔女のベルキーもそう続ける。

「僕達もだんだん強くなってるって事だよ。いずれ魔王を倒すんだから!」

勇者の僕がそう締めくくった。

僕たちはここ奈落の森に四天王の一人「水流のカレン」がいるとの噂を聞き付けやって来た。

奈落にある巨大な湖の水を使い絶え間なき攻撃を繰り返す彼女は強敵だったが、ベルキーの機転により比較的簡単に勝利したのだ。

まあ、その内容は湖の水を全て干上がらせるという力業だったが……

「そうだよ、あんなに絶望的な力を持っていると言われた四天王を倒せたんだぜ。俺達も強くなってるなって言いたかったんだよ。」

ケインは最も精鋭を集めたといわれるフィスター騎士団の副団長だ。

実力は確かだがお調子者で処罰することもできずに困っていたところを体よく厄介払い……もとい、騎士団の枠の中では真の実力を発揮できないと見抜いた団長が押し付け……もとい、勇者一行に加わることを勧めてくれたのだ。

一行のムードメーカーでいつも雰囲気を明るくしてくれる。

たまにお調子者が過ぎるのが玉に瑕だ。

「本当ですか?そんなニュアンスではなかったように思いますが……」

メルスはこの大陸で一番の宗教メルシアス教の聖女だ。

敬虔な信者である彼女はメルシアス様の加護も篤く、人体の欠損すら治せる回復魔法を扱えるのだ。

「あまりにおいたが過ぎるようですと、私の拳で正させていただきますよ?」

……そして、世界有数の武闘家だ。護身術に体術を教えられたとき、のめり込んだらしい。

拳で(アダマンタイトの)剣を折ったり、拳圧でドラゴンを叩き落としたりと話題には事欠かない女性だ。

加入理由はメルシアス様の教えをさらに広めるため。ただ、最近は彼女自身が崇められているような気もする。

「まあ、私は魔石さえ貰えれば何だっていいんだけどねえ」

ベルキーは山の奥深くに庵を構える魔女だ。

魔法と言う名の神秘を解明するために引きこもっ……もとい研究をしていたらしい。

加入理由は言葉どおり魔石のためだ。本来魔物を倒す冒険者は魔石を売って生活しているが、僕たち勇者一行の資金は条約によって賄われている。つまり狩って得た魔石をそのまま使えると言うわけだ。また僕たちは場合によっては一般人の立ち入れない秘境と呼ばれる場所に行ったり、普通は戦うことのない強力な魔物と戦う事がある。

神秘の解明を命題とする彼女にすれば、不思議な力に溢れる秘境や強い魔物から取れる魔石は喉から手が出るほど欲しいものなんだろう。

……と言うかそうだと思いたい。1ヶ月も断られ続けて結局メルスがとってきた魔王の魔石の研究権のおかげだけで加入してくれたとは思いたくない……

「貴女もあまり散財しないで頂けますか?資金が提供されているとはいえ……」

「別に役に立ってるんだからな良いでしょうよ。無駄遣いしている訳じゃないんだから」

ベルキーは希少な素材を見つけると必ずといって良いほど購入したがる。

しかし確かにそれを無駄にしたことはただの一度もない。それどころか、一行を救ったことは一度や二度じゃない。多分彼女にも何か考えがあるのだろう。

彼女の作った体の一部分を再生する薬がとある貴族との交渉材料になったのは驚いたが……

「まあまあ、メルスもその辺にしときなよ。せっかく勝ったんだから少しぐらい浮かれたって良いだろうよ。」

まだ魔王への道は遠い。残り3人となった四天王を倒さなくてはならないし、側近だっているだろう。あまり急いだってしょうがない。時間を無駄にはできないが、焦ってはいけない。僕たちは絶対にこの旅を成功させなくてはいけないからだ。

僕たちは魔王を倒し、その魔石を手に入れる。それがこの旅の目的だ。

魔王を倒し、そして得た魔石を使いメルシアス教に伝わる神の遺物を起動させることができれば、メルシアス様の加護により魔物は大幅に弱体化する。

魔王はいつか復活する。拡散した魔力が集まって復活するから、強力な結界の内側に置き、できうる限り性質を反対の魔力にして拡散させなくてはいけないのだ。

僕たちの力が魔王に届くまで、まだまだ長く旅は続くのだろう。


(どうでもいい)補則

ちなみにベルキーの持っていた人体の一部が再生する薬とはいわゆる「毛生え薬」

その貴族の名誉のために言っておくと、見栄のために買った訳ではなく髪魔法という特殊な魔法を使う一族のため

その魔法を酷使し過ぎると髪が抜け、前線を離れないといけないため一族の中で大きな問題になっていた。(という裏設定)

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