私はペット
可愛いから結婚した。私が結婚の理由を聞くたびに夫はそう言う。
飯はあれば嬉しいが、作らなくてもいい。僕が買ってくる。
皿が溜まっているのはストレスだ。洗ってくれたら褒めてあげる。
洗濯物は、干せないなら洗濯するな。
掃除はしなくてもいい。僕も掃除してないから。
これが、私が妻である条件。
それと、浮気もしないこと。
まるでペットだ。愛玩動物だ。
要するに何もしなくても、私は生きていればいいのだ。
僕を好きだから君と結婚した。彼はそう言う。
それでもご主人様を癒そうと私は今日も奮闘する。
ご主人様に褒めてもらうために。
哀れなペットは、それでもご主人様が大好きなのだ。