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研究発表-7

三回目はキーツの大洪水の時である。このときはもしかしたら

キーツが巻き込まれるかもしれないという予感がしてて、胸騒ぎ

を期待していた節がある。案の定胸騒ぎが来て石を見ると真っ黒だ。


やはり祈っても明るくならない。この時はすぐに皆にメールを送った。

「祈ってください!キーツが危ない!」


キーツからは何の連絡もなかったがオサムにはもう分かっていた。皆の

祈りで石が輝きだした頃キーツは濁流の中を必死で走りぬけていたのだ。


ケムンの時はケムン自身が胸騒ぎを感じてトルコ地震の前日に家族へ

電話を入れている。このときはオサムオサナイは何も感じ取ってはいない。


今はまだ予知には個人差があるのかもしれない、がその能力は各自必ず

顕在化して来るものと思われる。いずれにしても祈っても明るくならない

という時には慎重に神経を研ぎ澄ます必要があるようだ。


さてもうひとつの大きなポイントは光る石の存在だ。今なら昆明の博物館

にアクセスできる。光る石の詳細なデータ類を送ってもらおうと打信したが

データ類は公安当局のチェックが入るので一切国外へは送れませんとのこと。


折り返し館長の段思平さんから電話が入った。


「まことに申し訳ありませんがデータは公安の許可がなければ送れません。

できればぜひ一度雲南省へお越し下さい。四川省青海省を含めてこの地域

には興味深い謎がたくさんあります。恐竜の化石はいたるところにありますし、


おびただしい洞窟群や前人未到の奥深い山々には不可解な現象や古代の遺跡、

謎の類人猿の棲息跡など、つい最近では数万年前のものと思われる不可思議な

宇宙土器がこの町のすぐ近くで発見されました。また四川省では昨年古代人の


冷凍ミイラが見つかっています。まさにこの地域は古代ミステリーの宝庫です。

来ていただければかなりの資料をお見せできますのでぜひ昆明へお越し下さい」


博物館館長の段さんはかなりの情熱家のようだ。それに極秘の何かがあるような

気もする。オサムオサナイは、

「必ず年内にお伺いします」

と言って電話を切った。


メキシコ、ペルー、英国は今夜未明にアクセスすることにして

本日のプログラムは終了した。


夕食は午後八時に祇園平八亭の2階に予約を入れてある。みんなは5分間

ナムストーンを唱和したあと京都中央ホテルから河原町をくだり四条から

鴨川を渡って八坂へ向かった。蒸し暑い中浴衣姿の少女たちを皆珍しそうに


見とれていた。『この大空に舟が来るのか?』オサムは一人曇天の空を

見上げながら四条大橋の上をみんなとそぞろ歩いていった。


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