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京都に集合ー1
7月は卒業のシーズンだ。キーツカーンは親元の
ゲッチンゲン大学の医学部精神科の助手になった。
キャンパスにあるグリム兄弟の象の前で両親とともに
撮った写真を4人のメンバーに送ってくれた。
ケムンアタチュルクは大学院博士課程に進んだ。
ナセルベックハムは4年生になったが、この1年で
卒業して実業家になるそうだ。最後の夏休みに
日本に行くことをとても楽しみにしている。
ネパールのレイシッキムは、とんだ1年ではあったが
とにかく少し落ち着いて宗教学に没頭しようと思っている。
みんなが日本に来ることを心待ちにしていたのにはわけがある。
ナムストーンの秘密の力を少しでも明らかにしたいからだ。
できればみんなで力を合わせて。
期間は10日ほどしかないから各自自分の出来事や体験、
専門分野からの仮説などをまとめて、何を実験するか
いろいろと想像をめぐらした。
これは楽しくなりそうだ。