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prologue
〜Prologue〜
運命の歯車が動き出す時 人は何を思い何を犠牲にするのか
権力や階級や名誉が命よりも大事とされていた時代。
皇帝からはじまり順に
『公爵』
『侯爵』
『伯爵』
『子爵』
『男爵』
というような階級に分かれていた。
そんな時代に産まれた一つの命。
その子は貴族の娘で
父、トレット レトワール伯爵
母、カトリーナ レトワールの間に
三女として産まれた。
娘の名は
『アンジェシカ レトワール』
秀でて美しいわけでもなく気立ての良い
どちらかと言うと活発な可愛い娘に育った。
アンジェシカが18歳の誕生日を迎えると同時に
社交界デビューもしなくてはならない。