「ユートピア」
「ユートピア」に棲まう魔法の渡り蝶 ユートピア・バタフライに導かれて、「ユートピア」に着いたプノンとレックス。しかし、その「ユートピア」には、恐るべき真実が隠された場所だった。
ユートピア・バタフライに導かれて、「ユートピア」に訪れたレックスとプノン。
「わぁ~!ここが、「ユートピア」。」
そこは、アプリンゴが生い茂った天国のような場所だった。
二人はお城に向かった。
「女王様。客人をお連れしました。」
「よくおいでくださいました。私は、アンタルクトシエラ。この「ユートピア」を治める女王です。ルクトとお呼びください。この「ユートピア」は、先代の王と女王が魔法でつくった国なのです。私は、「ユートピア」に来た来訪者ではありましたが、先代の王と女王とはご縁があり、二人が逝去された後、「ユートピア」の女王として後任したのです。」
「俺たちは、住むところを探しています。しばらく、この「ユートピア」にいても宜しいでしょうか?」
「無法なことをしなければ、いつまでも「ユートピア」にいてもかまいませんよ。この城の空き部屋をお使いになってください。」
レックスが、城の中をを偵察していると、見覚えのある仮面を着けたゴルゴサウルスと出会した。
「ルッチ。お前も来てたのか。よく城に入れたな。」
「城と女王様を護衛しに来た使者だと女王様に言ったら、すんなり城に入れてくれたよ。それだけ、護衛が必要だったんだろうな。」
「なあ、可笑しいと思わないか?この「ユートピア」には、この城と女王様と兵士しかいないし、来訪者もわずかしかいない。まさか、ここに来た来訪者は、あの女王様に殺られたり、追放されたりしてるんじゃないだろうな。」
「そのまさかだよ。あの女王様、とんでもない極悪の暴君女王だったよ。聞かれるとマズイから場所をかえて話すよ。」
二人は、城の別の空き部屋の隠し部屋に入った。
ルッチは、隠し持っていた本をレックスに見せた。
「この本が、この隠し部屋にあった。この「ユートピア」の本当の先代の王様と女王様の従者だったらしい人が書いたんだろ。この本によると、ルクト様が、「ユートピア」の本当の先代の王様と女王様を殺して、女王になったこと、無法を犯した来訪者を殺したこととかが書いてある。」
「それが、本当だという証拠はあるのか?」
「ルクト様にゆさぶりをかけて探ってみよう。ボロが出たら暗殺する。」
「それに、我々も手を貸しましょう。」
従兵士長と副従兵士長のヴェロキラプトル ヴェロとオルミムス オミが空き部屋にいた。
「申し訳ありません。貴方様がたが、この空き部屋に入るのを見て、話を盗み聞きしていました。」
「面影があると思っていましたが、まさか、先代の王様と女王様のご子孫だとは。貴方様がたは、この「ユートピア」を魔法でつくった先祖の王様と女王様のご子孫なのです。」
「貴方がたは、この「ユートピア」をつくった本当の先代の王様と女王様、俺たちの先祖たちに仕えていた兵士だったんですね。」
「はい。ですが、あの暴君女王が差し向けた刺客によって、殺されました。この「ユートピア」の墓で眠っておられます。」
「一つだけ約束してください。あの子、プノンだけには秘密にすると。」
「俺も仮面を着けて、変装するのか?」
「お前は、女王様に顔を知られているんだ。変装すれば、バレないだろ。」
「この「ユートピア」の女王 ルクト様は、とんでもない極悪な暴君女王様だ。「ユートピア」から出て行きたい奴は、出ていけ。」
「ルクト様。」
「何事ですか?」
「ルクト様のことを愚弄する噂をする輩がいます。貴方様が、先代の王様と女王様を殺して、女王になったとか、無法を犯した来訪者を殺したとか。」
「なぜ、そのことを知ってるのだ。私以外には、そのことを知るよしもないのに。そやつを殺せ。殺してしまえ。」
「その反応するということは、事実ってことで、宜しいですね?クルト様。」
「まさか・・・」
「レックス!」
「おう!」
「クルト様。貴方には、死を以て、罪を償って戴きます。」
ゴオォォォォ・・・・・!!!!!
レックスとルッチの火炎放射が炸裂。
プノンたちが泊まっている空き部屋に、二人は帰って来た。
ゴルゴサウルスは、仮面を外して見せた。
「ルッチ!」
プノンは、ルッチにハグする。
「ゴメン。遅くなって。」
首を横に振るプノン。
「無事で良かった。」
「あの女王様は、とんでもない極悪な暴君女王様として、暗殺された。俺たちは、その暗殺役として、任命されたんだ。」
「俺たちが使える火 「煉獄火」に燃やされると、身体は消えてしまうが、良い魂になれば、転生できるんだ。あの女王様も、良い魂になれば、転生できるだろうさ。」
「プノン、よく聞け。悪いゴルゴサウルスのボスが、この「ユートピア」を独占して、王になろうとしている。俺たちの群れを襲って、お前の母さんと弟を襲って食った奴だ。」
「俺たちは、ヤツを奇襲して、暗殺する。俺たちは、この「ユートピア」を守らないとならない。お前は、この「ユートピア」を出ていけ。」
「レックス、ルッチ・・・」
「泣くなよ。大丈夫。俺たちは、死なない。お前が、俺たちが、生きてるって信じていれば、きっと、また会える。」
「お前たちが、この「ユートピア」が主か?」
仮面を着けた恐竜二人に問いかける。
「如何にも。俺たちは、王様と女王様から生まれた兄弟だ。王様と女王様が逝去されたので、現在は、俺たちが主だ。お前とどこかで会ったことがあるのだが、俺たちを覚えていないか?」
兄弟の恐竜は、仮面を外した。
「お前は、レックス!」
「今頃、気づいたのか。」
「俺たちは、お前に襲われたティマイオスの群れの生き残りだ。」
「ルッチ。俺を裏切ったのか。」
「俺は、お前の手下なんてなってない。お前の手下のフリをして、探っていたんだよ。お前は、俺の群れを襲って、プノンの家族も襲って食った。赦されることじゃない。今の俺たちには、あんたが、悪どいことをしてきた極悪な奴だってことが分かるんだ。よって、お前は、死刑だ。」
ゴオォォォォ・・・!!!!!
「俺たちは、この「ユートピア」を去ります。この「ユートピア」を守ってください。」
5年後・・・
プノンは、成長して、大人になっていた。
持っていた色・形の違う二枚のヒレを切なく見つめた。
レックスとルッチに貰ったヒレだ。
レックス・・・ルッチ・・・会いたいよ・・・
もし、魔法が使えるなら、かっ飛んで、会いに生けるのに・・・
ユートピア・バタフライがプノンを横切った。
“俺たちは、「ユートピア」にいる。”
“お前は、魔法が使えるんだ。魔法が使えることを信じるんだ。”
プノンは、目を瞑って、魔法で唱えた。
“二人がいる「ユートピア」に連れてって。”
あの時のとは違う「ユートピア」に辿り着いた。
「大きくなったな。プノン。」
「レックス!ルッチ!」
「この「ユートピア」は、二人がつくったの?」
「ああ。俺たちの先祖が、魔法で「ユートピア」がつくったのなら、俺たちも魔法で「ユートピア」をつくれるはずだから。城はないけど、あの「ユートピア」をモチーフにはしてある。アプリンゴの木も、たくさん生い茂ってるよ。」
「魔法も使えるようになったし、いつでも来られるね。」
「ユートピア」には、魔法のバリアがあって、「ユートピア」の存在を信じるものにしか見えず、入ることもできません。二人と二人の先祖がつくった「ユートピア」には、その力と凶悪なものを除去する力があります。しかし、二人の先祖がつくった「ユートピア」は、魔法のバリアをクルトによって弄られて、凶悪なものでも入れるようになっていました。ヴォルグが、二人の先祖がつくった「ユートピア」に入れたのは、そのせいに加えて、偵察していたルッチから「ユートピア」のことを聞いて、「ユートピア」があることを信じていたからです。二人の先祖がつくった「ユートピア」の魔法のバリアの力は、クルトが死刑にされた後、戻りました。




