変わり者公爵令嬢の記憶喪失 2
すみません。
今回物語のストーリーは急展開になってきますが、あまり文章量はありません。
私自身の自分勝手な理由となるのですが、次の物語の内容をきりよく始めたかったから、というのが理由となります。
ご理解いただけると幸いです。
また、今回の文章量が少なく、執筆時間も少なかったので、次回の投稿は今までより早めの投稿となるかと思います。
すみません、タイトルを一部変更させていただきました。
物語の内容は変わっていません。
ベッドから転げ落ちるようにして、アンリは目を覚ました。
どくどくと、心臓が激しく波打っている。
「はぁ、はぁ、はぁ」
今見たのは‥‥、夢、だろうか。
随分不謹慎な夢を見たものだ。
確か夢の内容は、昔の知り合いを見かけた自分が道路に飛び出し、メイルが身代わりになって死んでしまうというもの。
なかなかリアルな夢だった。
アンリは呼吸を整え、ベッドをするりと抜け出しリビングに向かった。
いつも通り、メイルからあいさつをされる。
「おはようございます」
あいさつを返し、机に向かって歩き出そうとした時。
ふと、壁に掛けられているカレンダーに目が吸い寄せられた。
日付は10月9日。
‥‥先ほどの夢では、10月10日になった夜にアンリ(自分)が家を抜け出すという内容で。
だから、その前の出来事は10月9日‥‥。
‥‥‥‥。
お腹の底から湧き上がってくる嫌な予感を振り払うように首を振ると、メイルが控えている傍の椅子に腰を下ろし、アンリは朝食を食べ始めた。
◇ ◇ ◇
朝食を食べ終えた後、アンリはメイルに散歩に行ってくると伝え、散歩に出ていた。
そよ風が気持ちよく、散歩にぴったりの日だ。
景色を楽しみながら歩いていると、紅葉の木がアンリの視界に入った。
あぁ、もう秋なのですね、と呟いたアンリは、ふと、今日見た夢にも、紅葉の木が出てきたことを思い出した。
その紅葉の木は特徴的な見た目であり、幹のところに大きな傷があった。
まるで熊にでも皮をえぐり取られたような大きなその傷は印象深く、はっきりと記憶に残っていた。
そんなことを考えながら、何気なく隣の木に目線を映したアンリは、驚きとショックで目を見開き、固まってしまった。
「こ、こ、こんなことって‥‥‥!」
隣の大きな紅葉の木には、夢で見たのと同じ傷が刻まれていた。