変わり者公爵令嬢の切実な願い 2
タイトルを一部変更させていただきました。
物語の内容は変わっていません。
申し訳ありません、今回の話もとても短くなってしまいました‥‥‥。
そして、累計ページビューが300を突破しました‥‥‥!!
プロの作家でもない、文章の書き方がうまいわけでもない私の作品ですが、どうぞ応援してくださると嬉しいです!!
涙が頬を伝う。
光を反射したそれは、アンリの心のように冷たい。
ふと思った。
私の時計は、私の時間は、‥‥‥孤児の時に、止まってしまったのではないか、と。
愛してくれたただ一人の人、アンリが大好きだったあの人はもういない。
そのことを知った時から、アンリの人生の時計は止まってしまった。
あの人の愛で満たされていた時計は、彼がアンリの前から消えた時、錆びつき、凍ってしまったのだ。
カイ。私を育ててくれた、愛をくれた、大切な大切な少年。
孤児の頃の、小さな少女だったときの記憶がよみがえる。
さむいよ。つらいよ。こわいよぉ‥‥‥。
なんでカイはいっちゃったのぉ‥‥‥?
さみしい。さみしいよ。はやくもどってきてね、カイ。
きっと帰ってくると信じ、懸命に待っていたころの自分。
ずっとずっと、待っていた。
でも。
‥‥‥‥カイが戻ってくることはなかった。
カイがいない世界は、灰色だった。
色とりどりの花は枯れ、美しいはずの小鳥の歌はしわがれていた。
通りを歩けば、人々から視線を感じ、酷く気持ち悪かった。
それを繰り返すうちに、気づいた。
カイは、全てから自分を守ってくれていたのだと。
アンリが寒いと言ったら、一緒にくっついて眠ってくれた。
お腹が空いたと言ったら、自分のご飯をわけてくれた。
死にたいと言ったら、カイは‥‥‥。
" 俺が生きる理由になってやるよ "
そう言って、ニカッと笑ったっけ。
カイ。カイ。カイ、カイ。
もどってきて。
ひとりはつらいよ。さみしいよ。
カイ。カイ。
わたし、つよくなったよ。えらくなったんだよ。
カイのこと、たすけられるようになったよ。
ほめて。
カイ。カイ。
結局私は、‥‥‥あなたがいないと何もできない。
カイ。カイ。
いつ戻ってきてくれる?
カイ。カイ。好きだよ。
まだ告白もしてないのに。
戻ってきてよ。カイ。
‥‥‥‥カイ。もう死んじゃった? カイ。
カイが死んじゃったなら。
私も死ななきゃ。
カイの命がなくなったなら。
私の命も捨てないと。
カイ。カイ。
死ねば、また会えるのかな?
カイ。カイ。
今、会いに行くよ。
カイ。カイ。
待っててね。今行くよ。
アンリはいつの間にか、見知らぬ建物の屋上に立っていた。
下からくる風が、ふわりとスカートを揺らす。
ここから落ちれば。
カイに、会いに行ける‥‥‥!!




