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勇者の道の路地裏で  作者: アフロ
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1話 勇者の凱旋

ドラゴン歴300年…伝説の剣に選ばれた勇者が、頼れる仲間と共についに魔王を撃ち果たした。

魔王討伐の3日後、我らが勇者がついに王都に帰還した。


王様の住む城へと続くメインストリートは、商人から冒険者、子供からお年寄りまで。 

この国のほぼ全ての人で溢れかえっていた。

集まった全ての人が勇者を讃え、歓喜の声をあげていた。

このメインストリートは、後に「勇者の道」と改名されることになる。


そんな勇者の道から、少し外れた薄暗い路地裏。

そこに住む男が今作の主人公だ。

これからは横たわる彼の視点で、この物語は幕を開けていく…。



1話 勇者の凱旋


「なんだってこんなに騒がしいんだ…何時だと思ってやがる」


道の向こうの大通りは、いつにも増して賑わっているようで昼まで眠るつもりが朝に目が覚めてしまった。


「あーうるさい、うるさい」


俺は布団を被り直し、もう一度眠ろうとした。

しかし、しばらくすると布団の外から声が聞こえた。


興奮した子どもの声

「ねぇ!勇者様が私に手を振ってくれたんだよ!」


勇者?勇者が帰ってきてんのか…。


大人しそうな子どもの声

「すごいよね…!ついに魔王を倒しちゃったんだ…」


魔王を勇者が倒したのか…。すごいすごい。関係ないけど。


興奮した子どもの声

「外にいた危ない魔物は消え去って、僕らも自由に外に出ていいんだって!」


「そうなんだぁ…外に魔物はいないのかぁ…」


子ども達

「えっ…」


「でも街の中にはまだいるんだよぉおおおお!!!」


子ども達

「わぁあああああああ!!!」


俺は被っていた布団から、飛び出してガキ共を追い払った。

ここは俺のテリトリーだ。好き勝手するのは許さん。

……しかし。


「もう魔物は出ないんだな…」


………


「…よし」


俺は数年ぶりに街の外に出る事にした。





翌日。

俺はテリトリーに置いてあった古く安い防具を身につけて、王都から出た。

魔物が出なくなった影響だろうか、いつもは街にいるような町人も幼い子ども達も外に出ているようだった。


俺はここで一つの勘違いをしている事に気づいた。

外に危険な魔物はいない。

しかし、危険ではない魔物はいるようだったのだ。

スライムやファンシーな鳥モンスターは、子どものいい遊び道具になっていた。


「まぁこれくらいなら問題ない…はず」


そう思ってもう少し王都から離れてるように歩いてみる。

しばらくして、目の前の草むらからスライムが現れた!


「うおっ!?」


スライムはすでに臨戦体制だ。

今にも飛びかかってきそうな気合を感じる。


「やんのかぁ!?こらぁ!?」


俺も腕をたたんでファイトの意志を見せる。

ここで俺は気づいた


「俺、武器持ってないわ」


スライム

「スラぁー!」


隙ありとばかりにスライムが突っ込んでくる。


「武器がなくてもこっちには拳があるわ〜!!」


壮絶な殴り合いの末、俺はスライムのHPを削り切る事に成功した。スライムはプシューと世界に溶けて消え、俺は自信がレベルアップした…気がした。





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