魂の目
魂を見る目を持つ女性はとある組織の幹部格でありながら、その組織と対抗している裏組織のボスである。
魂の色瞳
足音がない走りの気配を感じた。
天井をかけてくるようなその音にふと聞き覚えのないことに気づく。
ニヤリと笑みを浮かべた。どうやら今回の刺客はまだまだ未熟のようだ。
だが…もしかしたらあいつかもしれないと思い念のためその音の主の色を視るために瞳をあける。
…あいつの色が見えた。やっぱりかと心の中でつぶやいて瞳を閉じる。
なんで毎度毎度演技しながら来るんだ!!
と突っ込みたい。
間違えて、やりそうになってしまう。まぁそんな私が面白いからこそあいつはやるのだろう。
やめてほしいが。
殺しそうなので。
そんなことを言ったらやめるだろうか?いや、きっと嬉々としてもっと大胆にやり始めるだろう。
あいつはそんなやつだ。
この私でさえ振り回されているのだから。
あいつのいつも持っているナイフが上から落ちてきた。
音も立てずに。
ナイフの柄を頭の上で掴みナイフを切りつけてくるあいつを止めるためにナイフを構えた。
キィンと音を立てて競り合ったナイフ。
力任せに押し合う。
あいつに他の選択肢は浮かばないはずだ。
これまですべての選択肢を潰してきたのだから。
ピキリとあいつの持つナイフが音を立てた。
私は笑みを深めてそのままナイフを押し切った。
「ったくないぜ。力でもかなわねぇとか」
「あら、この殺人魔が何を言っているの?」
ほんとこいつは何を言っているんだ。
私に使えるくせに。
ま、そんなこいつを許可して隣に置いているのも私だが。
「全く、精進が足りないわよ。閃光」
「ったく。お前には敵わねーだろ」
笑える。最強とも言われたこいつにこんなことを言われるとは。
「ははははっ」
「…おまえは…」
笑いを表に出せばこいつはものすごくいやーなかおをした。
「はぁ」
ため息をつかれる。
心外だ。
私はただのこいつに精進しろと言っただけなのだ。
それなのにこんな反応をされてはたまらない。
「閃光。いったい何があったの?」
こいつが来るのは遊びがおおいがその時は大抵さっさと評価を聞くはずなのだ。
それが無いなら何かしら起こったに違い無い。
「おまえに合う奴が出来た」
…ははっ。それか。
「どいつだ?」
「影の三つ葉だ」
影。
通称暗殺団。
閃光が、影の連絡係なら三つ葉は影の万能だ。
「これの疑惑は?」
照明を指差して聞く。
「晴れてはいない」
つまりーーー
「最悪は、私がヤれと…」
「ボス直々の処刑なんて最高じゃ無いか」
…それはどういう意味だ。
っていつも冗談に乗りすぎだ、閃光。
「それはおまえらだけじゃないか。とにかく…刑をするなら会ってからだ」
「それまでに探らせておこう」
「流石だな。それに関しては」
ふっと笑みが零れる。
三つ葉を失うのはどーでもいい。
代わりはいくらでもいる。育てればいいのだから。
しかし、私の団ならば、敵は近くにいる方がより緊張感が増し、いうことを聞くはずだ。
閃光をはじめ自由勝手な輩が多いのだ。
こんな奴らに効かせるいい薬だ。
「とにかく、ヤるかはわからんが、な」
「さっすがぁ~。ボスがヤル気だよ」
…うざい閃光。ちゃんと読め。
「光なら、尋問でもしてみるか…」
「…なぜ俺を見て言うので?」
…。
そりゃあ…。
「もう一度あれを受け直すか?閃光」
「……っ~!!それだけは嫌です!!」
試験を受け直せ。
ガチでそう思った。裏まで読めよこの馬鹿野郎。
「とにかく…三つ葉は見張っとけ。あと、三つ葉が光だった時は三つ葉に情報を与えたやつを確認しとけ。1人も漏らすなよ、閃光」
「へいへい」
本当におまえは…ここまで読めっ!!
読めるだろうお前なら。
…無理か。
「とにかく帰れ。バレるなよ」
「ん。じゃあボスまた今度」
ずっと天井裏に閃光は消えた。
足音のない気配が遠ざかる。
どうやら前回言った通りに通風孔を使ったらしい。
バカで真面目だ。
「…少し感を取り戻すか」
やはり平和すぎて鈍っているらしい。
バカをけしかけてここを襲わせようと思うぐらいには。
まぁ、そんなことをさせる気も意味もないのだが。
いったいこれからどうしようか。
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*レイラもとい、ボスもとい、私
どこかの裏組織(闇)のボスであり、またそれに対抗する組織(光)の幹部格。スパイ(ただし大物すぎる)。魂の色を見分ける異能を持つ。とても強い。幹部格のなかではいちばんつよいのだが、じつりょくをかくしている。そのため、幹部の中では4番目ぐらいの強さと言われている。
*閃光
裏組織(闇)の影の一人。連絡係で、警備が厳重であるはずの対抗組織にやすやすと入り込む実力を持つ。強いレイラに暗殺じみたことを仕掛けるのがレイラへの連絡時の約束事(閃光にとって)。レイラ監修の地獄の特別訓練にトラウマがある。
*三つ葉
影の一人で、光のスパイだと疑われている人。結構な実力を持つが、レイラにとってはあまり関係がない。刑に処されるかもしれない。
光や闇は隠語。




