序章ー夢の続きー
こんちわす。暇つぶしで書きました。連載とかやってるけど続くか分からないです
よろしくお願いします
宙を舞う紙切れと化した原稿を眺める一瞬、身体が重くなっているのに気がついた。あぁ、俺は疲れていたのか。それすら気づかなかったぐらい俺は追い込まれているみたいだ。俺は作家だ。演劇の脚本を書いているがこれまた何を書いても売れないのである。才能が無いのかと何回も思った。だが、好きであることに嘘はつけず未だ淡い夢を抱いている。
「良い歳してんのにな…」
窓を眺めながらお気に入りのマグカップに入った珈琲を啜る。何かを飲んでないと原稿を書ける気がしない。ビールを一服、と行きたいところだが、そんなことをしてしまえば本末転倒というものだ。かれこれ10分程外を眺めているとフワフワと浮かぶ赤い広告気球が見えた。何やらその広告には"開催予定!"と書いてあるのが見える。演劇の広告だろうか。俺は肩を落とした。何も成せない自分に嫌気がさす。あまりの虚しさに窓を閉めようとしたら街を歩く住人が広告気球を眺めるのが見えた。恋人同士で手を繋ぎ眺める人もいれば、子連れの女が指差す子供に世話を焼かされる姿。それらを目にした時ここには様々な生活があるんだなぁと思い、同時にそれらが美しく見えた。
俺もいつかあの気球に自分の作品を載せることが出来たなら、とまたもや淡い希望を抱いてしまう。
「もう少し、開けておくか…」
冷たい風が吹く中、俺もまた住人の一人として大きな広告気球を見つめていた。赤いアドバルーンを。
どうだったかな?
夢っていいですよね。