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夏空の下  作者: 大和屋
8/8

脅迫

私が今生活している世界は、私の江戸時代のイメージにかなり近い。

でも、ダンスクラブやカラオケは普通にある。

風貌がちょっと古くさいだけなのだから、我慢しよう。

「ラティマー、私に弟がいる事、知ってる?」

マウ様が聞いてきた。

「いいえ、知りません。」

「そう。お願いがあるの。私の弟の料理を買ってきて欲しいの。献立は何でもいいからさ。」

「かしこまりました。」

私は買い物籠を手に、市場へ出かけた。

どうやらこの世界は、人間が普通に獣に変化するらしい。

特殊能力、か。

ん~と、献立は~?

カレーにしよう。

私はカレールーとニンジン、じゃがいも、牛肉を買った。

宮廷に戻り、カレーを作り終えると、急いでマウ様の弟がいる部屋へ向かった。

「失礼します。」

私は堂々と入った。

「マウ様の弟はどこにいらっしゃるのですか?」

私は高級な着物を着ている女性に聞いた。

「誰があんたみたいなブスに教えるか。帰れ!」

「・・・マウ様の命令で、マウ様の弟である方の夕食を持って参りました。」

上級な着物を着た女性は立ち上がった。

お香の匂いがぷんぷんとただよう。

次の瞬間、カレーが床にぶちまけられた。

「帰りな!こんな料理、ガンジ様は好きじゃないよ。」

「ガンジ様、とは?」

「はあ?そんな事も知らずに給料もらってんのかい。バカだねえ。帰れ!」

私は仕方なく部屋を出た。

出る間際に言う。

「マウ様は私を侮辱する者に対して6千万円の罰金を払わせると言っていました。ですが、あなたの家にそんな金は無い。どうします?このまま傲慢な態度を取り続け、家を滅ぼすのか、私に謝り、家を守るか。どちらを選びます?」

「・・・ごめん。」

「許しません。」

「・・・ごめん・・・なさい。」

「それでよし。それ、片付けとけよ。」

私は部屋を出て行った。

私は気付いていた。

あの女はもう長くない、と。


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