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夏空の下  作者: 大和屋
6/8

漫画

私が見つけた物。

それは、おっさんに送られた賞状だった。

『宮廷医療指導者 ナバ殿』と印刷されてある。

あのおっさんの名は、ナバか。

令和からしたら、ものすごく変な名前だ。

「へい、渇芽水かつがすい花紫はなむらさきだよ。」

「ありがとうございます。」

薬草を受け取ると、宮廷まで戻った。

「買って参りました。」

マウ様に報告した。

マウ様は寝転がっていた。

「御苦労。」

マウ様はそれだけを言い、再び目を閉じた。

「他に何か命令は?」

暇が大嫌いなので、聞いてみた。

「何も無い。宮廷の金を使い、買い物でもしてきたらどうだ?」

宮廷?

私の頭にハテナマークが浮かび上がる。

「しかしながら、マウ様が努力して貯めた金銭を、私の我がままで費やすのは少々気が引けます。」

親の金で買い物をするのならともかく、主君の蓄えで買い物をするなどもっての他。

「別に、私の金じゃない。死んだおやじとおふくろの遺産だ。」

・・・私と同様に、少々口の悪いお方だ。

「私に欲しい物など、肩書きと権威ですよ。まあ、どれもこれも、マウ様からしたらくだらない物でしょうけど。」

「肩書きならいくらでもあげるわ。そうね、侍女筆頭ってのはどう?」

「ありがとうございます。」

肩書きなど、自身の欲望から生まれるものにすぎない。

でも、肩書きが欲しい。

それが私の悪い所。

「それでは、何かあったら知らせて下さい。それと、漫画とか、ありますか?」

「あるわ、地下室にね。無料でいつでも読めるから、遠慮はいらないわ。」

この宮廷、とってもお得。

宮廷の金銭を使って買い物ができるし、漫画がただで読める。

私は部屋を辞し、地下室へ降りた。

漫画マニアでも驚くほど漫画が並んでいる。

「あっ。」

どうやら、検索機能があるようだ。

私が大好きな『太陽の女神』という漫画を検索してみた。

すると、前から十五列目とモニターと表示された。

「十五列目、十五列目、十五列目・・・あったっ。」

『太陽の女神』シリーズは、知る人ぞ知る大人気漫画だ。

環境破壊が進む世界を舞台とした物語。

環境破壊が進み、次第に太陽も光を失っていき・・・

そこに現れたのが謎のエコ集団『ヒカリ』だった。

そのエコ集団『ヒカリ』は世界に光を取り戻そうと、犯罪に手を染めて行く・・・

という物語だ。

「・・・新刊、出たんだ。」


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