一応プロローグじゃない?
「俺と、つ、付き合ってください!!」
ここは普通の県立高校の普通の体育館裏。そして普通の告白現場である。
「え、えーと、ご、ごめんさい……」
「そ、そんなっ!?」
そして呆気なく玉砕してしまうのもよくある光景だ。……よくあるか?いや、ある!あるに違いない!あると信じろ!
「だ、だって。ユージ君……私で何人目なの?告白した女の子……」
「えーと17人目です。やっぱり問題ある?」
ちなみにこのユージ、山田雄司はこの物語の主人公的立ち位置である。またまたちなみに現在高校1年生、時期は4月の中旬。
「問題あるに決まってるでしょー!!ここはわかりきった嘘でも『君が初めてだよ』くらい言いなさーい!!」
バシーン
告白された女子生徒はおとなしめな雰囲気から一転、鬼のような形相となりユージの頬を思いっきりビンタしていた。なんか印象違いすぎないですか、お嬢さん?
「そ・れ・に!私はあなたみたいな誰彼かまわず告白しちゃうような気の多い男の子に興味なんてないから。もう話しかけないでよね、バイバイ」
彼女はスタスタと歩いて去っていく。
「……うぅ」
泣け少年。ここは泣いていいんだ……あんな女忘れちまえ、きっといい女性は現れる。
「……うぅ、うぅ!!」
そして少年、ユージは泣いた。男の背中で語る一人泣き、かっこいいねぇ。男はそうやって強くなるんだ。
「彼女ほしぃ〜〜〜よぉ〜〜〜!!」
……前言撤回。かっこよくないね。むしろ、情けない。
ほんとにコイツが主人公でいいのかね。とりあえず、始まる。
山田雄司とそれを取り巻く周囲の物語がね……。
次からは主人公視点で書いていきます。