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1-4-30-4 【桜瀬七波】 悪鬼の歌垣 4
そこからさらにあたしと作家はバケモノに幾重もの攻撃を浴びせる。
あたし達なら決して倒しきれない相手じゃない。
それは理解した。
でも、同時ということになると、これほど難易度が上がるとは思わなかった。
七波「作家! いけるっ!?」
紅蓮「悪い……ちょっと間に合わないっ……!」
七波「ぅくっ……ごめん、ならこっちも仕切り直さないとっ……!」
実際、声を掛け合うことで相手の状況は少しは分かるようになってきたんだけど、逆にその状況に少しでも不安が生じるとお互い及び腰になって、相手に突っ込めなくなるという悪影響も生まれていた。
それでももう一度ずつ――作家があいつの頭を撃ち抜いて、あたしがあいつを切り伏せる。
だけど、それは全く同時ではなく。
更には最後のその一回は、一度揃ってあいつを倒すことに失敗するという有様。
可能な限りの猛攻じゃないとあいつにダメージは与えられない。だから全力を振り絞るけど、結果がそれじゃ体力を大きく削られるばかりで……!




