第2話 道中
いわゆる説明回。
読みにくいかもしれません。
師匠たちはたまたま自宅に帰る途中に偶然俺の事を発見したようだ。
ウォーウルフに襲われた事自体は確実に不運なのだろう。
しかしそれが無ければ師匠たちに出会うこともなかった。
人生本当に何が起こるかなんてわからないな。
まあ、まず転生して記憶も持ち越し出来てる時点で摩訶不思議だけど。
師匠たちは、人里離れた山奥の家(ヴァン師匠の師匠からもらったらしい)に2人で住んでいる。
街で馬を買って乗って行った方が歩くより速いのでは?という疑問が浮かび質問をしてみた。
「馬か?別に金がないわけじゃねぇし、街に行くのがめんどくさいって訳でも・・・いや、割とめんどくさいな」
そこなの?
「距離的にめんどくさいって訳じゃねぇって。ま、色々とあんのさ」
心底嫌だって感じでもなさそうだけど。
「まず俺の体に合う馬がいねぇんだけどな!」
・・・納得した。
そんな会話を交えつつ様々な事を聞いた。
まずは現在の場所。
正直俺が知っているのは育った村くらいだったのでとてもありがたい。
地図なんてまず村にあるわけがない。
つまりは周辺の地理なぞ7歳児には知る機会もなかった。
この異世界エンシェルトには大陸が7つある。
人族、リアンス大陸。
獣人族、ツーヴァル大陸。
エルフ族、イドラス大陸。
竜人族、フィーアス大陸。
ドワーフ族、ラフン大陸。
天人族、ルゼクス大陸。
魔人族、レヌル大陸。
人族はいわゆる普通の人。
数がとにかく多いこと、他の種族と混血可能であることが特徴。
戦闘能力は個人差が大きい。
獣人族は種族ごとに違うが、体のどこかに獣の特徴を持つ。
大体は尻尾と耳に現れる。
体の大きさも種族により差が大きい。
戦闘力皆無な種族もいるので、こちらも差が大きい。
そりゃ、兎耳の女の子と熊とか獅子とかの筋骨隆々のオッサンが戦闘力が同じだとしたら悪夢だろう。
犬好きとしては是非一度会ってみたい種族でもある。
兎ミミのオッサンとかとのエンカウントは遠慮しておきたい。
エルフ族は森の賢者と呼ばれる、長い耳総じて整った容姿を持つ種族。
誇り高い一族でもある。
寿命も1000年ほどと長い。
基本的に森にこもりがちで、なんでも昔に人族の一部に奴隷にするために捕まったりした過去があるそうだ。
現在ではほぼ無くなったが未だに一部では続いているようである。
戦闘能力としては弓と魔術を使うのはが上手いが、力はあまりない。
竜人族は体のどこかしらに竜の特徴を持つ。
尻尾であったり角であったり個人差があるそうだ。
中には完全に竜に姿を変える事ができる人もいる。
戦闘能力は総じて高め。
エルフに次ぐ寿命の長さ(800歳ほど)を誇る。
数はあまり多くなく、少し戦闘狂の気がある模様。
少数で戦闘狂で変身能力を持つとか、どっかの7つの玉集めちゃう系バトル漫画に出てくるどこの民族だよ。
ドワーフ族は鍛冶と技巧に関しては他の種族の追随を許さない。
山の中に掘った洞窟などに住む。
戦闘能力は、彼らとにかく筋力があるので攻撃が当たれば強い。
力をそのまま生かせるので打撃系の武器を好むものが多いが、中には「鍛冶職人としては一通り武器を使えなければならん!」と言って様々な武器を使える人もいるとか。
天人族とは翼の生えた人の事で鳥系の翼を持つ種族だ。
天使っぽい見た目なのだろう。
彼らが住まうルゼクス大陸は別名、天空大陸。
そう、つまり浮いているそうだ。
浮く原理は謎らしい。
流石異世界、物理法則さんが少し仕事を放棄しているみたいだ。
戦闘能力として空中での高速戦闘、上空からの魔術攻撃など型にハマれば強いが、打たれ弱いのが特徴。
一部無駄に誇り高すぎて傲慢になってる人もいる。
魔人族は細かい種族毎に色々と見た目が違うようだ。
鬼のような角をもつ鬼人族、吸血鬼族などもいる。
ラミアやケンタウロスなども大まかな分類で魔人族に入る。
戦闘能力は獣人族と同じく種族毎に差がある為、戦い方からして違うので一概には言えないようだ。
尚、大陸ではなく海などに住む海人族もおり、様々な人族を総じて人間と言う。
亜人というのは差別用語で使うべきではないようだ。
大陸毎に大まかな区切りがあるが、それ以外の大陸に別の種族がいないかというとそんな事はなく、大陸にある最大の国の種族によって分けられている。
天人族はほとんど浮遊大陸から出てこないみたいだ。
現にドワーフ族は鍛冶職人として様々な大陸に住んでいるし、獣人族は別大陸の山間部に住んでいたりもする。
現在地はリアンス大陸の南東に位置するコルドラコ王国という比較的大きな国だ。
前世の俺が召喚されたバルザール帝国は大陸の西側に位置するそう。
あまり関わり合いになりたくないので願わくば、このリアンス大陸が地球のユーラシア大陸ほどの大きさである事を祈る。
リアンス大陸の中央には大きな山脈があり、道自体は整備されているが進軍は容易なことではないらしいのでひとまずは安心だ。
後は冒険者のランクについて。
ランクはE〜SSSと8段階。
個人の能力は勿論、影響力なども加味される。
でも貴族だからと言って高ランクになれるかというとそうではない。
やはり実力は大事だ。
ちなみにランクの内訳は
SSSランク=災厄
SSランク=人外
Sランク=化物
Aランク=達人
Bランク=玄人
Cランク=一人前
Dランク=駆け出し
Fランク=新人
との事。
SSになると軍をを相手にできるのだとか。
なんですかね、剣なのにビーム兵器な聖剣みたいな武器でも持っているのですかね?
じゃあSSSは?と言われるとこれまた下手したら大陸を落とせるとかなんとか。
とりあえず意味のわからない戦力の持ち主って事だけは分かった。
最後に魔術。
属性は火、水、木、風、土の基本5属性。
雷、氷、金、光、闇の上位5属性。
そして系統外属性。
系統外属性は上記10種では説明の付かない特性を持つものだそう。
ほかにも精霊と契約して使う精霊術などもあるのだとか。
契約だけでなく好かれたりする人もいて、一般とは隔絶した威力の魔術を使えるようになる。
他にも様々な恩恵があるようだが。
ちなみにヴァン師匠は火オンリー、シェータ師匠は水、風、光が得意であるが基本5属性、上位5属性を使うことができるそうだ。
ちなみに初級、中級、上級、最上級、超級と魔術の強さのランク分けもあるようだ。
そんなシェータ師匠曰く、ヴァン師匠は色々と規格外のようで、
「水が火の勢いによっては負けることが有るのは分かるのよ。でも金属溶かすのは意味わかんないわ」
金属の種類によるけど純粋な鉄ならだいたい融点は1500℃だったか?
確かに意味わからないね・・・
その火力自体は道具を使えば出せるだろう。
鍛冶技術があるんだし。
でもその火力に使ってる本人まで焼けそうなきもする。
っていうか下手したら周りで戦ってる味方が危ないのではないだろうか?
素材取る為に戦ったのに消し炭すら残らない、なんて事態も想定できる。
「流石にある程度は調節するっての。剣だけ熱を持たせるとかもできるしよ。便利なんだぜ?斬った時に傷口が焼けるから返り血とかねえし」
自分が怪我するような下手はしないとのこと。
他にも火に関してならば色々と融通も利くようだ。
その話を聞くとヴァン師匠は火の精霊に好かれてるのではないか?と思う。
今度機会があれば聞いてみよう。
色々と聞かせてもらった分、期待も大きくなった。
さて俺は何の属性を持っているのやら。
オラ、ワクワクすっぞ!
誤字脱字は教えていただけると嬉しいです。