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四神守護隊の日常。  作者: きりしま。
3/5

◇Ⅰ‐2◇ 始まり

頭がよろしくないほのかは、通っている私立柊学園高等部では、いつも補習に強制参加を決められていることで有名な生徒だ。



その日も、補習があって、しかもその後、村松から説教を長々と受けてしまったため、夜遅くなってしまっていた。



そして、帰り道。ほのかは、真っ暗な夜道を街頭を頼りにして、慎重に歩いていた。



その時だった。後ろで、何やら軽い爆発音のようなものが聞こえた。



聞いたことのない音だったので、ほのかは、体がビクッとなり、恐る恐る振り返ってみる。



そこには、一人の男性が立っており、もう一人の男性がその立っている男性の前で座り込んでいた。



微かに座り込んでいる男性の足から血が流れているのが視界に入る。



酔っ払いの喧嘩かとほのかは最初無視して歩き出そうとしたが、二人の男性の周りの道路には大きなひびが入っており、どうやら尋常ではない喧嘩であるようだ。



ほのかは思わず彼らに目が釘付けになっていた。



すると、立っていた男性が、指を、空中に何かを描くように動かした。



すると、彼の目の前には半径30センチほどの黄金色の円盤ができていた。



座り込んでいる男性は、その光景に恐れているのか、後ろへ後退するばかりだった。ほのかも少し後ずさった。



円盤を作り終えた男性は、その円盤を思い切り下に叩きつける。すると、座り込んでいた男性に直撃し、白煙が舞い上がる。



ほのかはあまりにもの衝撃に目を一回瞑る。そして、しばらくしてゆっくりと開いてみると、そこには血だらけの男性が横たわっていた。



(一体何が...)



信じられない光景だった。非現実な光景だった。



ほのかは死んでいるであろう男性が側にいた人たちに運ばれていくのを目の当たりにして、呆然と立っていた。



すると、さっき円盤を作った男性がほのかの方を向いた。




黒髪で、身長は175cmくらいだろうか。



上は黒のシャツ。下は深緑のタイトパンツと黒の革ブーツを履いている。



そして恐ろしく鋭い目つきをしていた。まるで獣のような目つきだ。



「おい、お前。」



男性は低い声でほのかを呼び、だんだんと近づいてくる。



(...殺される。)



ほのかは瞬時にそう思った。さっきのように、円盤を叩きつけられるかもしれない。



「すいません!私...えと...」



「あいつの仲間か?おかしいな、敵は10人と聞いたんだが。」



敵?何を言っているのだろう。



「敵とかじゃないです!絶対そんな違います!」



ほのかの声が恐怖のせいで不自然だったのだろうか、完全に彼はほのかのこと疑いの目で見ていた。



「おい、吉野。」



相手は、後ろにいた茶髪で、紫のマウンテンパーカを羽織っている吉野と呼ばれた少年に声をかける。



「はい?副長。」



どうやら、この男性の役職は副長のようだ。



「もしかして、人透じんとう班に何かあったか?」



「え?そんなことは...ちょっと待ってください。今連絡を取ります。」



吉野という少年は携帯電話を取り出せば、何やら誰かと会話を始めた。


ほのかはしばらくの間、男性の目の前で俯いていた。今が逃げるチャンスかもしれない。



しかし、逃げたら何やら敵と見なされて、殺されてしまうかもしれないのだ。



そう思うと、やはりほのかの足は動かなかった。



「副長!どうやら、敵に人透部が襲われたようで、活動停止になっていたみたいです!」



「やはりな。こいつが俺らの姿を見れてるのは、それが原因か。じゃあ、今回の敵の目的は、四神じゃなく、人透班の連中だったということか?」



(じんとうはん、って何だろう…)



ほのかは、こんな状況であるのいうのに、なぜか聞いたことのない単語を気にしていた。



「ということは...本当に赤の他人なのかもしれないな…」



副長と呼ばれている男性はじっとほのかを見つめた。吉野という少年は後ろで私のことを不思議そうに見ている。



「…いや、一応だ。捕らえろ。」



相手は少しの間迷っていたような感じだったが、結局ほのかは周りにいた複数の人に拘束されてしまい、そこから恐怖のせいか、意識がなくなってしまった。




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