部活紹介
遅くなってすいません。
ここは、野田高校の教室棟三階の一年三組の教室である。入学してから、2日目の放課後ともあってガヤガヤしてる。その中に、正樹と唯はいた。
「マサは,放課後の部活紹介会に行くよね? 行くなら一緒に行かない?」
「行く!! 俺も、唯を誘う積もりだったからちょうど良かった。」
この時、唯は正樹と同じ部活に入る為に誘ったのである。彼女はぶっちゃけ、正樹のことが好きなのである。しかし、彼女は振られて幼なじみの関係が、維持出来なくなるのが怖くて好きになって10年間、告白が出来ないのであった。
「マサは入る部活は、ある程度決めてるん?」
と探りを入れる唯。
「一応、野球部か球技の部活に入部するつもりかな。けど、野田校は文系の部活が多いから面白そうだったら、そっちもありかなぁ。でも良いのがなければ,帰宅部にする。」
などと優柔不断なことを言う正樹であったが、野田校は進学なので妥当な選択でもある。進学を目指して勉強に勤しむ生徒が多いのは事実である。
「そろそろ体育館に行こうぜ。」
「そうだね。」
部活紹介会が始まる時間が、近づいていたので小走りで体育舘に向かう二人であった。
二人が体育館に着いた頃には、司会の先輩が開会の挨拶をしていた。二人は急いで空いてる場所を探してみるが、前の方は人で埋め尽くされていたので、仕方なく後ろの方で見ることにした。
「自由参加だから人が少いと思ったけど結構な人がいるね。」
予想外の人の多さに驚いてしました。唯であったが、正樹は驚いてなかった。なぜなら、最初の行事なので、部活に入らない生徒も興味半分ぐらいで来てるのだろうと思っていたからである。実際は、正樹が思っていた通りであった。入部した生徒は、集まった生徒の半分にもいかなかったのである。だったら後ろの方で見ろよと心の中で思う正樹であった。
「では、野球部の皆さんによる。部活紹介です。」
司会の先輩が野球部の部員に合図を送ると一斉に舞台の前に来てキャッチボールを始めながら部活の紹介をするのである。頑張って甲子園に行こうなどと熱く語っているが、キャッチボールだけでは、少し迫力がないと思ってしまう正樹と唯であった。
「やっぱ、野球部に入るの止めようと思う。高校生活が残念なことになりそう。」
と嘆きながら正樹は言いながら残念な顔をする。本当は、野球をしたいが入部したら後悔すると勘が告げている。それに、正樹の勘は良く当たるのでこの勘を信じてみることにしたのである。
「唯も、その方がいいと思うよ。」
野球部には残念なことに、唯も正樹と同じことを感じたらしい。
実際に野球部は、。正樹と唯が部活を引退するまで
ゴタゴタがあったり、一勝も勝てなかったらしいから二人の判断は間違ってなかったのだ。
野球部の紹介が終わって次々に部の紹介をして行くが正樹の目に止まる部がなかった。部活紹介会が終盤になった頃には、ほとんどの生徒が帰っていだが正樹と唯は最後までいることにしたのだ。
「部活紹介会も残りあと二組です。次の部活は、私も初めてこんな部活が存在すると知りました。ソフトボール部お願いします。」
ソフトボール部は、野田校に二年も通った司会の先輩が知らないぐらい学校の中でもかなり影が薄い部活らしい。そんな部活に期待もせずに、紹介を待っていたら3人の生徒と一人の美人で若い先生が出て来て部活紹介が始まった。
「皆さんは、ソフトボールて知ってる? 」
と美人先生がいきなり質問してきた。周りにいた生徒は、一応知ってるみたいな顔をしてる。沖縄では、体育の授業でやるので知ってる生徒は多い。ボールが大きくてゆっくり下投げで野球の劣化版で手軽なスポーツと思っている。実際、体育の授業に取り入れるぐらいだから手頃なスポーツじゃないと困るので誰でも出来るのスポーツと思っていた。しかし、この美人先生が、この知識をぶっ壊すことをしてくれたのだ。
「皆が思っているソフトボールとは、少し違うと思いますので先生がお見せしますね。野球経験者で誰か手伝ってくれる人はいませか?」
帰ってる生徒が多いのもあってか名乗りを上げる生徒がいないので長い沈黙が流れてる。
「はい!!手伝います。」
長い沈黙から名乗りを上げる勇敢な生徒がいたのである。周りからは拍手がなっているが、正樹はこの勇敢な生徒を見て嫌な予感しかしなかったのである。
「本当に有難いけど、危ないから男の子で野球経験者がいいのよね。」
と美人先生が困り顔で断りを入れながらどうしょうかと迷っている。
「それなら、隣にいる友達が野球経験者なのでやってくれるみたいです。」
などと無責任なことを言う勇敢な生徒。そして、勇敢な生徒の友達は、やっぱりそうなるよなと言う顔をしている。無責任な生徒を睨むが満面な笑みで返されてしまうので諦めて仕方なく舞台の方に上がって行く。そんな哀れな友達の正体は何を隠そう正樹でる。言わなくて分かるが、無責任な勇敢な生徒は唯である。
正樹は、いつもの無茶ぶりに抵抗しないことにしている。それは、一度だけ唯の無茶ぶりに抵抗したことがある。しかし、抵抗しなければよかったと思うぐらい酷い目にあったのだ。なので唯の無茶ぶりに関しては、抵抗しないのが一番の最善策なのである。
「いやー、ありがとう、ありがとう、男の野球経験者なら少し速く投げても問題ないよね!!」
美人先生は、少し薄ら笑いをしながらキャッチーミットとマスクを渡して来た。
「自分で言うのも何ですが一応問題ないと思いますよ!!」
この時正樹は少し油断していた。大人の球を捕るといっても女性が投げる球なので怪我することなどあり得ない。ましてや捕り損ねることもない。もしこれで捕れなかったら野球経験者の恥であると思ったぐらいである。
ソフト部の先輩に距離的に15メールぐらいの位置に誘導された。そして、正樹はマスクを被りキャッチーミットを構えた。
「じゃあ、準備はいいね!!投げても大丈夫?」
「もちろんです!!」
美人先生は、軽く息吸いながら投球体勢に入った。 美人先生の目が獲物を狩る様な雰囲気に変わった気がした。正樹はゾクッとしてしまうほどなんとも言えぬ恐怖が走った。
美人先生は投球体勢から体を上下に動かしてから溜めを作る投球動作してジャンプする。最初は腕を回しながら宙を舞ってるように感じたが、片足が着いた瞬間に体を鋭く捻ってボールを投げて来た。するとさっきのなんとも言えぬ恐怖は完全な恐怖に変わった。
手からボールが離れた瞬間にボールがものすごい音を出しながらもうスピードでこっちに向かって来たのである。
「バーーーーーーン」
体育館に花火が爆発したかの様な音が響き渡ったあとに4~5秒ぐらい静寂が訪れた。
そして、
「今の何? ヤバくない!! ぜんぜんボール見えなかったけど!!」
などのガヤガヤとした騒音が訪れる。
正樹はミットに持ちながら放心状態になっていた。さらに、心臓のドキドキと手の痛みが止まらなかった。自分はよくあの球を捕れたなと思ってしまた。
本当のことを言うとちゃんボールが見えなかった気がした。ボールらしき物がぼんやり見えたと思ったらミットにものすごい衝撃が走って反射的に捕った感じるである。なのでボールは、見えてないと思われる。
「ソフト部は、グランドの奥側のバックネットで練習してるのでじゃんじゃん見学に来て下さい。あとメンバーが少ないので入り次第レギュラーです。さらに4回勝てば優勝なので全国大会も行けるかも知れませんよ!それでは、男子ソフト部の部活紹介を終わります!!」
美人先生はスタスタと舞台裏に歩いていた。
最近、看護師になるために専門学校の入学試験の勉強を初めました。また、仕事も両立しなければいけないので小説を書く時間がない~。だけど、気分転換にちょくちょく書いて行きたいと思います。