間の1 メイドさんと一緒
本日2話目投稿です。宜しくお願いします
…ふと、「あぁ… コレは夢なんだ… 」と何となく理解する。
自宅近くの古本屋から世界の狭間へ、そして名も無き異世界へ来るまでを、まるで走馬灯を見ているように記憶の映像が流れていく。
…王様との謁見の間での話では、触りだけだが、「自分以外の4人」は、何らかの理由で「あちらの世界が嫌いで、あの世界を捨ててでも異世界に行きたかった」らしい…。
…彼等4人が理由を話してくれるかはわからないが、恐らくは王様の言うことに嘘は無かったと思う。
…謁見の間から出て、それぞれ与えられた部屋に向かう間、誰も口を開かなかったが、「此処が異世界である。」と改めて理解したからか、たまに表情が綻んでいたように見えた。
…ならば多分彼等4人は、元の世界に帰るつもりは無いだろう…。 世界さんが言っていたように、自分で帰る方法を見つけるか、この世界で生涯を終えるまで暮らすしか無いだろう…。
…帰る方法は、起きてから改めて王様に確認をしてみるとして、まずはこの世界で生きていけるように、この〔名も無き世界〕を知ることから始めよう。
……コン、コン、……
………? ノックのような音が聞こえる……。
…そう思った瞬間、眠りから覚めるのか、意識が浮上していく。
コン、コン… 意識が覚醒したので、「起きました。」と返事をする。
扉を開けて入ってきたのは、昨日部屋まで案内してくれたメイドさんの1人で、此方に頭を下げると、「おはようございます。 本日より貴男様のお世話をさせて頂く事になります〔ステラ〕と申します。 どうぞ宜しくお願い致します。」と、もう一度頭を下げて挨拶してきた。
…マズい… 昨日案内して貰った時にもいっぱいいっぱいだった為か、礼も言えていない… 正直大人として恥ずかしいが、この場で自己紹介と礼を言おう。
「…えー あー …おはようございます。今日からお世話になります将明です。 此方こそ宜しくお願いします。 …後、昨日の案内の時、礼も言えずにスミマセン…。」 …気の利いた言葉が…何も…浮かばない…。 …コレはヘコむ…
そんな想いが顔に出ていたのか、ステラさんは、クスッと笑いながら「どうぞお気になさらないで下さい。」と言ってくれた。
そんな感じで挨拶も終わり、ステラさんが「間もなく朝食のお時間となります。 何かご要望等があれば伺いますが?」と言ってきたので、「何か今着ている服の代わりはありませんか? …昨日は着替えもせずに寝てしまったので。」とお願いしてみる。
するとステラさんが、「朝食は国王様、王女様と御一報に食べていただくのですが、王女様より、皆様の服は「昨日来られた時に着ていた服で着てほしい」と言われております。」と言ってきた。
…こればかりはしょうがないか… と何となく諦めた気持ちで「分かりました。」と答え、ステラさんと一緒に部屋を出て行く。
…さぁて、4人と合流して胃が痛くなりそうな朝食に向かうとしますか…
また宜しくお願いします