表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/29

宿の女将の腕がすごかった…

本日2話目投稿です。 宜しくお願いします。

 …だらしなく寝ているフェアをそのままに、素振りをしようと小楯と剣を持って部屋から出る。


 まだ朝食の時間まで余裕があるようなので、女将さんに一言告げ、裏庭に出て素振りを始める。


 …イメージは碧ラクーンと一緒に出てきた紅ウルフ2体だ。


 戦っている時は考える余裕が無かったが、今にして思えば、紅ウルフ2体は同時に襲ってこず、常に1体が自分を引き付け、もう1体が自分の横や背後から飛びかかって来た。 2体同時は1体がやばくなった時だけだ。


 …目を瞑り、頭の中にある戦った紅ウルフの行動を思い出し、襲って来る方の軌道を小楯で受け流すように体を動かす。


 小楯で受け流して剣で斬りつける。 ただそれだけの動作を1時間程続けると、汗だくになる。

 

 少し休憩にと、快適魔法の水を出し、持って来ていたタオルを濡らし、体を拭こうとする。


 タオルを濡らした所で宿から女将さんが出てきて「あんた! もう朝食の時間だよ! 妖精呼んで着な!」と相変わらずのデカい声をかけてくる。


 此方も「わかりました!」とデカい声で返し、急いで体を拭くと、部屋に戻り何故かうなされているフェアを起こす。


 「フェア~。 起きろ~。」


 「う…ぅがす…後…無理です…中でも西が…。」


 「…女将さんが来るぞ~(ボソッ)」


 「…村の…ぅぃの…はっ!! おはようございます。マスター。」


 …そんなに女将さんイヤか…


 「うん。おはよう。 もう朝食だってさ。裏で顔洗ってさっさと食べよう。」


 「わかりました。 …マスター。もう平気何ですか?」


 「あぁ、心配かけてゴメン。 自分で決めた道だしさ。取り敢えず行けるとこまで頑張ってみるよ。」


 「昨日の今日で、大分雰囲気が変わりましたね…。 何か良いことでもあったんですか?」


 「ん? まぁ良いことって言うか…良い夢だね。 その内話すよ。」


 まだ少し納得してないようだが、「ほら、急がないと女将さん来るぞ?」と言うと、慌てて裏庭の方に飛んでいく。


 顔を洗い、フェアの為にカウンターから一番離れた席に座る。


 頼んだメニューは、自分が[赤麦]から作られる赤パンに野菜のサラダ、[黒ラクーン]の香草蒸しにリンゴのような果物。

 フェアが頼んだのが、[跳ね魚]と呼ばれる魚の塩焼き3匹に赤パン、黒ラクーンの香草蒸し2つに果物を絞ったジュース。

 …フェアさん朝から大食いです。


 後から聞いた話だと、[跳ね魚]はモンスターではなく普通に漁で取れる魚で、[黒ラクーン]はラクーン系の一番下、紅ウルフよりも弱いモンスターとのこと。


 フェアの食べる量が体のサイズに合ってないので思わず「それだけ食べて大丈夫か?」と聞く。


 返事を返してきたのは女将さんで、「あんた何言ってんだい! 妖精の食べる量にしちゃそれが普通か少し少ない位だよ!」とのこと。


 …相変わらずの女将さんの大声にビビるフェアに、「この宿にいる間は諦めろ…」と小声で伝え、

食事を始める。


 この宿で初めて食べる食事は、一言で言えば旨かった。


 赤パンは外がカリッと、中はモチッと焼き上げられ、野菜サラダは野菜独特の苦味等は一切ない。

 黒ラクーンの香草蒸しは口に入れて噛むと、肉から肉汁が溢れ、しかし蒸した事で肉の油っぽさが消え、香草のサッパリとした風味と肉の旨味のみが口に広がる。


 フェアが頼んだ跳ね魚も一口貰うと、まるで地球で言うブリの塩焼きのような感じなのに、余計な脂分が無く、薄くかけてある塩と見事にマッチする。


 思わず2人して女将さんを見ると、「どうだ!」と言わんばかりに此方を見ている。


 食事に集中していて気付かなかったが、それぞれの部屋から続々と宿泊客が出て来て混雑し始める。


 自分はリンゴ?を、フェアは果物ジュースを最後に堪能し、女将さんに「ご馳走さまでした。」と告げ部屋に戻る。


 「フェア…。 この城下にいる間はこの宿に泊まり続けるぞ…。」


 「絶対ですよマスター。 …あの大声はツラいですけど。」


 「…うん。 まぁ、朝食も食べたことだし、今日は午前中から依頼を受けよう。次は討伐以外のも受けて、色々経験を積みたいよ。」


 「…そうですね。良いと思います。 採取やその他の依頼をこなしてみましょう。 …旨く行けばーのスキルも手に入るでしょうし(ボソッ)。」


 …?最後良く聞こえなかったけど、まぁ今日も気合い入れて行こう!

此処までお読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ