間の2 メイドさんの思い
本日一話目です。 遅くなりました。 組合の話が完成間際に消えてしまったので、先に作ってあった話を投稿します。 すみません。
私の名前はステラ。この国に仕えて10年になるメイドで御座います。
この国の国王様は、内政・外交どちらも上手くこなされ、王妃様・姫様の両名とも仲がよろしく、端から見れば[完璧な王]に見えるでしょう。
ですが、実情は仲の悪い王妃様と姫様の間に挟まれ、「此処数年で、白髪が増えた」とメイドの間では噂になっております。
実際の所、王妃様も何とか姫様と仲良く… と努力されておりますが、未だにその成果は出ておりません。
私の周囲からも、「もう少し、姫様もおしとやかになられれば」との声も上がっております。
最近の姫様は、特に癇癪が酷くなられたようで、私がお世話させて戴いていた[将明様]の行動が気に入らないのか、他の召喚された4人の若者達に
「彼の者の動向を教えて欲しい。」と無理矢理聞き出そうとしていたそうです。
4人の方々も、自分達に対する召喚に、彼が巻き込まれた事を気にしているのか、自分達の世界の物語や遊びで姫様の気を逸らし、彼に関わらせないように動いているようです。
…今朝、彼がこの城から出て行かれたそうです。
昨日の謁見の後、急に国王様に「彼の者の世話は、これ以降はしなくて良い。」と告げられ、何か失敗を犯したのかと確認をしてみると、「彼の者が明日、この城を出る。 その為、部屋を移す事になる。 下手に周囲に漏らすと、アリスが何をしでかすかわからん。 臣下の暴走もありえるしのぅ…。 スマヌが明日まで、彼の者が部屋に居るものとして対応してくれ。」とのことでした。
…その日の昼と夜。 私が彼の分の食事を二食ずつ食べるのは、大変きつぅございました。
お昼の少し前に、彼が出発したと騎士の1人から聞きました。
短い期間ですが、お世話させて戴いていた方ですので、お見送りに行けなかったことを残念に思います。
彼がもう城を出たことを知る者は極一部の方々のみてすので、念には念を、と彼の部屋に昼食の時間だと告げるフリをに行きました。
1日の仕事を終え、自室のベッドに倒れ込むように寝転がり、目を瞑り、彼の無事を祈ります。
…「せめて、あの巻き込まれた方が、幸せに暮らしていけますように。」と…
此処までお読みいただきありがとうございます。




