書庫にこもって色々試した訳だが…
本日4話目投稿です。よろしくお願いします。
…騎士の1人に書庫に案内されながら考える。
出発まで書庫から出ない為、他の騎士の人に非常食の干肉や堅パン等を用意して貰い、スキルの仕様の確認や、魔法の練習をする。
剣術や符術は、書庫内では使えない為、主にスキルは書庫にある本の確認。 時空魔法や快適魔法は実際に使ってみるつもりだ。
…少しウキウキしながら書庫に着くと、騎士の人が丁度非常食を持って来てくれた。
それを受け取り、剣術の本等が何処にあるかを確認する。 騎士の人には、快適魔法の為の蝋燭や、少し深めの桶等も一緒に持ってきて貰った。
書庫は中から鍵が掛けられるので、鍵を掛けてフェアと2人になる。
…書庫の奥にトイレがあって助かった。 一々表に出て、入らぬ問題を起こさずに済む…
先ずは剣術の確認だ…。 教えられた場所から本を抜き取り確認すると、剣の握り方~手入れの仕方までが書いてある。 …ただ、本のサイズが辞書位ある為、今は読むのを諦める。
…明日の出発の際に持って行って良いか確認しよう…
剣術はそれで良いとして、魔法の練習を始める。
フェアが言うには、「時空魔法の初級や快適魔法は殆ど魔力を使わない。」との事。 但し、自分は魔法の無い世界から来た為、自分の内側にある魔力の確認から始めることになった。
確認の仕方は、初めての人は、座禅等で精神を落ち着かせ、自分の心臓の鼓動の確認、体内の血液が循環するイメージから入る。 そこで、体内に別の流れを感じ取ることが出来れば、直ぐに魔力を操作して、魔法を使えるようになる…らしい。
…30分 …1時間 …2時間位時間が経ったとき、確かに体の中に、不思議な流れがあるのが解る。
フェアにそう伝えると、直ぐに魔法の練習に移ってくれた。
まずは快適魔法から。
これは他の魔法もそうらしいが、頭の中で使う魔法をイメージし、魔力が十分に足りるのなら無詠唱でも魔法を使えるらしい。
逆に、もしイメージした魔法に対して、自分の魔力が足りないのなら、そこに詠唱や魔法陣で補い発動させる。 それでも魔力が足りない場合、良くて不発、最悪の時は魔力の暴走による爆発が起こるらしい。
スキルにの場合でも、似たようなリスクを持つスキルが有るらしいが、そんなスキルは持っていない為、今は魔法に集中する。
…蝋燭に向かって掌を向け、目を瞑りながら蝋燭に火が着いている所をイメージする。
フェアの「成功しましたよ。 マスター。」と言うセリフで目を開けると、確かに火が着いている。
そのまま直ぐに、今度は目を開けたままで桶に水を出してみる。
…うん。成功だ。
フェアに「このまま時空魔法も試したいんだが良いだろうか?」と確認すると、「まだまだ魔力はあるので大丈夫ですよ?」と告げられる。
折角お金を貰ったので、城下に出て奪われたり、
無くしたりしないように、箱に入れてみることにする。
頭の中で、目の前の空間に、宝箱があるようなイメージをする。 …? 魔力が足りなかったみたいなので、「ボックス」と言ってみるが発動しない。
慌ててフェアを見ると、此方に向かって「マスターが彼方でしていた…ゲーム?の[インベントリ]とやらを思い浮かべて下さい。」と言う。
…自分がしていたゲーム… あぁ、宝箱タイプじゃなくて[アイテムウィンドウ]タイプだった…
其処まで考えた瞬間、目の前の空間に、正方形のガラスの板が浮かんでいた。
その盤面は、幾つものマスに句切られていて、一番下には日本語で、[所持金 0円]と表示されている。 ………何故に円?……
まぁ、其処は置いておいて、ウィンドウの中に袋ごとお金を入れるイメージを浮かべると、ウィンドウのマスの方に袋の表示が、所持金の方は50,000円と表示されていた。
…確か銀貨50枚を入れたから、銅貨1枚は10円か… 少し気になって、残り2つの袋も入れてみると、所持金が1,050800円と表示された。
はい?
………うん。 もう気にしないようにしよう。
お金の出し入れに関しては、[銅貨○○枚]と頭に浮かべれば、直ぐに出てくるのを確認したので、懐に袋を1つ入れ、その袋の中でお金の出し入れをする事にした。
…城下に行ったら、アイテム用に鞄買わなきゃな…
そうやってアイテムの出し入れや、快適魔法を練習していると、頭にズキリとした痛みが走る。
これは魔力が0に近づいた証らしく、使い切っても死ぬことはないが、衰弱したり、体中に痛みが走ったりと、かなり大変らしい。
フェアに「今日は此処までにしましょう。」と言われ、大人しく寝ることにする。
……いよいよ明日は出発だ……
ここまでお読みいただきありがとうございました。




