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何となく空気が重いんだが… 謁見その2

本日3話目です。宜しくお願いします。

 …異世界に来て3日目、スキルも得られたので、改めて王様に話を聞きに行く。


 フェアは一晩中起きていてくれたようで、今は自分のベッドで眠り込んでいる。


 部屋を出ると、丁度ステラさんがやって来た。

 どうやら起こしに来てくれたらしい。


 「お早うございます。」と互いに挨拶し、昨日の食堂?に向かうかと思ったら、今日は、各自の部屋で食事を取り、謁見の間にて再び話をするらしい。


 それならば…と、部屋に戻ろうとすると、別の部屋に皆集まっていたのか、太郎君の部屋から4人とも出て来た。


 此方に気付くと、手で招いて此方を呼ぶ。

 「何かあったか?」と話しかけると、「謁見の間に向かう前に少し話がある。」と言う。


 取り敢えずそのまま近くに居たステラさんに、「朝食は部屋で食べるので、置いておいて下さい。」 と伝え、そのまま5人で太郎君の部屋に入る。


 学生達4人は、固まって床に座り、自分にベッドに座るように告げると、そのまま黙り込んでしまう。


 暫く無言の時間が続いたので、自分から、「どうかしたのか?」と尋ねると、ビクッととした後に、4人揃って正座をした後、「今更ですけど、巻き込んでしまってごめんなさい。」と謝罪してきた。


 内心、[本当に今更だなぁ…]と思いながらも、「此方は気にしてないので、君達も気にすることは無いよ。」と告げる。


 4人共、もう泣きそうになっているが、此方が本当に気にしていないとわかると、目元を拭いながらも何とか笑ってくれた。


 …しかし、「どうして異世界に行きたかったのか」を尋ねると、途端に顔を青くして、「それだけは聞かないでくれ。」と告げるので、「わかった」と答え、それ以上聞かない事にする。



 話が終わったかと思い、「それじゃあ、自分は部屋に戻るよ。」と言い、部屋を出ようとする。


 すると、「ごめんなさい。 まだ話が残っています。」と椎名さんが言うので、再び座る。


 話はどうやら昨日相手をした王女様についてらしい。


 詳しく聞くと、王女はどうやら4人の事は気に入っているみたいだが、王と話してばかりの自分が少し気に入らないらしい。


 …どうしたものか …とりあえず城を出て、王様の話に出て来た組合に入るのもありか…  いっそのこと他国に行くのもありかな… 等と考えていると、何時の間にか謁見の時間になっていた。


 急いで部屋に向かい、つまめる料理だけを口に入れ、フェアを肩に担ぐ様な形で4人と合流する。


 謁見の間に入ると、今日は既に王がいた。王妃や王女、以前いた貴族や大臣等、数人の騎士を除いてこの場にはいなかった。


 改めて王様に、4人から聞いた王女様の話を告げると、苦い顔をして、「その内ソナタに迷惑が掛かるやも知れん。 …どうしたものか。」と言う。


 …やはり、少なくとも城から出た方が良さそうだ…… 


 「王様、確認したいことがあります。」


 「ふむ… 何でも言ってくれ。」


 「まだ何も知らないので、昨日の話に出て来た組合について知りたいのですが、組合は様々な国にありますか? また、組合は国から影響を受けたりしますか?」


 「……そういうことか。  組合は各国の城下や街、少し大きめの村等に必ずある。 そして、組合は絶対に国から影響を受けたりはしない。 せいぜい犯罪者についての引き渡しや、推薦位しかできない。」


 「ありがとうございます。 次に通貨について教えて下さい。」


 「通貨は各国共通で、一番下が銅貨、銅貨が百枚で銀貨、銀貨が百枚で金貨、金貨が百枚でミスリル硬貨となる。」


 …成る程…。


 「王様、自分は明日の朝早くに城を出て、城下にある、その組合に入ろうと思います。」


 「やはりか…。 娘の我が儘でソナタに迷惑をかける。 改めて謝罪しよう。 申し訳ない。」と王様が頭下げる。


 「いえ、此方の意志を汲んで貰えるだけ有り難いです。」


 「…私が止めても、娘の我が儘を叶えてしまう部下が多くてな…。 今回の召喚もそうであった…。 せめて、此方から少しでも資金を用意しておこう。 無いとは思うが、部下の暴走が起こっては遅いからな。  …この者に例の袋を。」


 そう騎士に告げると、その騎士が腰に下げるような袋を3つ、持ってきた。


 …流石王様、最悪の事も考えていたか…


 「後、今日この後から明日出発するまで、書庫のような所で過ごさせて下さい。 それで明日の早朝出発します。」


 「分かった。 許可を出しておこう。 後はないかね?」


 …今思い浮かぶのはこれくらいか…


 「多分、もう大丈夫だと思います。」


 「ふむ。分かった。 ではこの場にいる皆に告げる。 この事はこの者が出発するまで、王女にも告げるな。」


 騎士達の敬礼と学生達4人の頷きを確認して、王様に頭を下げ、謁見の間を出る。


 …いよいよ明日は城から出る…


 …何となく感傷に浸っている自分の方の上で、フェアが涎を垂らしながら爆睡しているのは見なかった事にした…

 

此処までお読みいただきありがとうございます。

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