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死んでも楽しく生きてやる!  作者: ゾンビ専門カメラマン
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決意

視界の端を見る。

赤色の10083/16384と言う数値と、白色の2/3と言う数字が見える。

むむ!俺の灰色の以下略!

人間を一人救出すれば一つレベルが上がるのか。お得だな。そうと決まれば、全員救出を目指すか。…何人いるかは知らんが。

梯子の前でそんなことを考えていると、上からこれをかけられる。


「おーい!あんたは避難しないのかい!」


「ちょっと!トーマスさん!あんな化け物放っておきましょうよ!」


「いや、しかし、私たちを助けてくれたわけだし…。」


「あんなのを外に出したら大変だわ!こっちに来ないなら好都合だわ。」


「確かにそうだが、話が通じる相手だし…」


あれ?なんか話してる内容が解る?

うーん。レベルアップの効果は言語理解か。たぶん。


「アントニオ!俺はこれから君達みたいな人を救出して回ろうと思う!だから、気にしないでくれ!」


「わかった。って、あんた、英語喋れないんじゃ無かったか?」


「ああ。その辺に深い理由があるんだ。んなことよりも、自分のこの化け物じみたで、一人でも人を助けたいんだ。例え、怯えられるようなことになっても!」


「そうか。わかった。頑張ってくれ!」


ちょっと立派なことを言ってみる。ま、本音はレベル上げたいからだけど。


「そうだ!これを持っていけ!職員用の地図だ!パンフレットよりも詳しいことが乗ってるぞ!」


「ありがとう!助かる!」


「こんなことしか出来なくてすまん。生き残ってくれよ!」


「任せておけ!」


その言葉を最後にアントニオと別れた。

なんか、良いもの貰っちゃった、さて、まずは装備を整えますか。…そう言えば、言語理解の他には何をゲットしたんだろう。


そんな疑問を頭の片隅に放り出して、武器を調達しにナイフショップに行く。

ちなみに、ゲームの知識を頼りに、その辺に落ちている武器を探してみたが、やはりない。現実にあんなところに武器がゴロゴロ落ちてるわけ無いよね。

と言うか、地図を確認してみたら、ショッピングモールの作りも結構違う。

うーん。ま、あのマップそのままだったら著作権的に問題が…ゴニョゴニョ


全く、誰に対して言ってるんだか。


つらつらとバカなことを考えながらナイフショップを物色していく。

うーん。飾ってあるロングソードってインテリア用なのね。鉄は弱いし、重心もおかしなことになってる。

おっ!これは頂き!あー。二本しかないや。

こっちも良いけど、一本か。ま、貰っとこ。

後はー。これか。うむうむ。


そんなわけで、武装が変更になりました!

マチェット二本。

ククリナイフ一本。

ハンドアクス二本。


マチェットは背中に取り付けて…ハッ!ガンダ○!いやいや。

ククリナイフは腰の後ろに取り付ける。これは予備の武器になる。まー、これを使う前に何処かで武器を補充しなきゃな。それにしても、やはり予備の剣は腰の後ろに着けるべきだよね。奴隷だった某スキタイ人も腰の後ろに着けてたし。

後、ハンドアクスは左にだけホルダーを着ける。メイン武器は斧両手持ちにする予定だ。うむ。ロマン武装だよね!右手はいちを警戒のために常に斧を持っていることにした。


良し!武装も完了したし!

…あ、服変えないと。ゾンビになる前に着てた奴だから、ビリビリで血だらけだ。

どうしようかな。服来てもどうせ血だらけになるからなぁ。いっそのこと上裸!…あ、思ったより良い選択かもしれない。寒さとか関係無いし、汚れたら噴水かなんかで洗うか拭くかすれば良いからな。


と言うわけで、近くのミリタリーショップに入り、カーキのカーゴパンツを履く。足は鉄の入ったブーツだ。ついでに、赤いバンダナを頭に巻いておく。

うむ。気分はワンマンアーミー。ま、天パのロン毛では無いんだけど。

ついでに、ジャージ(迷彩柄)を二着と適当な布を大量に漁り、これもショップにあったリュックに詰めていく。なにかと便利だからな。


装備が整ったので出発する。

…服がとか言ってたのに、裸になっているのは気のせいだ。きっと。斧でゾンビを潰しつつ、声をあげて生存者を探していく。


「おーい!誰かいないかー!」


こうして、ワンフロアずつ地道に行くしかないだろう。俺にはバックアップは居ないんだから。

…寂しくなんかないぞ…

はぁ。どっかに金髪碧眼の美少女、転がってないかなぁ。…ハッ!イエス!ロリータ!ノー!タッチ!イエス!ロリータ!ノー!タッチ!イエス!ロリータ!ノー!タッチ!

ふぅ。落ち着いた。あれは、触れてはいけない。愛でるものだ。


一人でバカをやりながら通路の掃除(ゾンビの殲滅)しながら歩いていると、ショッピングエリアの外れの方からガラスが割れる音と、人の悲鳴が聞こえてきた。


ガシャァァァァン!

「キャー!」「うわー!」「逃げろ!逃げろ!」「待って!ジョンが捕まっちゃった!」「ヘレン!俺には構わず逃げろ!」


おぉ!なんか、ドラマを展開してる!

その場面に駆けつけた俺は、薬屋の店内から飛び出してきた人達を見つけた。ついでに、耳を使い周囲を確認する。

…そう言えば、耳と鼻を使えば生存者の探索が楽になるかも。いやいや、今はそれどころじゃない。


人々が逃げたしてきたのは薬屋だった。

その店内に大きな四足の生き物と、それに組伏せられて…食われている人が確認できた。


「あんたたち!ここは俺に任せて逃げるんだ!」


「なっ!?あんたは!?いや、それより、ショッピングエリアの避難口はゾンビだらけだぞ!」


「大丈夫だ!全部片付けてきた!安全に逃げられるはずだ!」


「なに!?本当だ!通路にゾンビがいない…。助かるんだ…。俺たち助かるんだ!」


「待って!まだジョンが!」


「ジョンはもう駄目だ!ほら逃げるぞ!ヘレン!」


「ジョン!ジョーーーン!」


「おい。あんた。ありがとう。今度会ったら一杯奢らせてくれ!」


「あぁ、一番良い酒を頼む。さぁ!もうジョンはほとんど残ってない。早く逃げな!」


「本当にありがとう!」


そうして、四人は逃げていった。

さて、俺は大物の討伐か。


重い足音を鳴らしながら、薬屋からそいつが出てくる。…えっと…。

アイエエエ!?ナンデ!?リッ○ー!?ナンデ!?

ゲーム違くない?しかも、実写映画版?


俺が一瞬戸惑って止まったのを本能で感じ取ったのか、右前足を振り上げながら飛びかかってくる。


「っ!シャァ!」


踏み込み、左手で爪をガードしつつ右手の斧を振るう。

相手の爪は骨に半ばまで食い込んだところで止まった。こちらの斧も同じくらいだ。肩に食い込んでいるが、致命的ではない。


「ふん!」


斧を引き抜き一旦距離をとる。

怪物もまさか捨て身の攻撃をしてくるとは思わなかったのだろう。困惑しているが、油断なくこちらを伺ってきている。

左手は…回復しないと使えないな。

それ以外は問題なし…と。


うーん。この怪物は何処が弱点なんだろう。

良くあるのは頭部を破壊するってあれだけど…。

一先ず、首を狙ってみますか。

となれば、あれを掴んでって感じかな。


なかなか動き出さない俺にしびれを切らしたのか、四本の足を力強く使い突進してきた。

それを飛び上がって回避し、すれ違い様に首に向かって斧を降り下ろす。…浅いな。


怪物はそのまま壁を登り、上から飛びかかってくる。それは、転がって回避。

体重差を覆すには、ゾンビとしての力を使う必要があるが、奇襲を成功させるためもう少し我慢だ。

アンブッシュは一度だけしか許されないのだ!


なんて、バカなこと言ってないで…

怪物が起き上がる瞬間を狙って舌を伸ばしてくる。

バカめ!それを待っていたのだ!


舌を左手に巻き付かせ、同時に回復を発動して舌をガッチリと掴んで全力で引っ張る。

予想外の力に転んでくれた。良し!予定よりも良いぞ!


○ームパンチの要領で真上に右腕を伸ばし、降り下ろす。

「オラァ!」

気分は宍戸梅軒。でも、鎖鎌と違い先端まで感覚があるのだ!


降り下ろした斧は怪物の頭を二つにかち割り、床に刃を半ばまで食い込ませ止まる。

グッと斧を引き抜き、右手を回復させる。


ふー。やったか。

…ハッ!つい、フラグを…


俺の考えに答えるように、怪物の頭部が回復し、他の傷も塞がっていく。

って、あの治り方って…。

その疑問に答えるように、怪物が口を開く。


「ナンダ。獲物かト思ったラ、お仲間か。」


キャァァ!シャベッタァァァ!


そいつは地の底から鳴り響くような、聞いたものを威圧する声で話しかけてきた。


「…あぁ、そのようだな。」


出来るだけ、真面目な顔をして答える。


「あんたはどうしてそんな姿になっているんだ?」


「ソレはこっちガ聞きたイ。オ前はナンデ人のママなんだ?」


「知らん。俺はただ、ゾンビを狩り人を助けただけだ。」


そこで、怪物はまるで正気を取り戻そうとするかのように頭を振った。


「グルルルッ。ソウカ。その差カ。私ハ、人をグルッ殺シ食らっテキた。」


「…なるほどな。人を助ければ人に、人を殺せば怪物になっていくと言うことか。」


「最近ハ意識もダイブ薄くナッテきテイル。自分の意識マデモ怪物となってイクノ、グルル、ヲ感ジルンダ。怪物になり、グル、キル前に殺シテグルル…。こンナコと、初グルル会ウオ前に頼めたグルじゃナイが、今が最後のチャンスなんだ。頭を割れたショックで、正気に戻れた。頼む…。グルル。」


「そうか。わかった。任されよう。」


「グルルルッ!グルルルッ!アリ…グル…トウグルルルッ!」


もしかしたら、同じ運命を辿ることになっていたかも知れない。自分のもうひとつの未来を見せられているようで、辛くなる。ネタをぶちまけて、無理矢理元気に振る舞ってきた反動で、ひたすらに気分が落ちていく。


「グガガガ!サッキノハ撤回ダ!ソウ易々ト殺サレルカヨ!グガガガ!同族ッテノハドンナ味ガスルンダロウナァ!」


ついに意識が乗っ取られたか。

まぁ、でも、約束は必ず果たすよ。

名も知らぬ仲間よ。任せてくれ。

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