NO,0 「少年は飛ぶ……異世界的な何かへと」
初めての主人公最強物です。
ネットゲームもやったことないのでいろいろと変なことを書いていたら
本当に申し訳ありません。
また、誤字・脱字や日本語として可笑しい場所や、置き換えたほうがよい表現など
ありましたら、お気軽に感想のほうへお願いいたします。
それでは、これからしばらくの間よろしくお願いします。
物をつくるとは、人間が生活をする上で欠かせないものである。しかしながら物をつくる人間のことについてなどはだれも興味を示さないものだ。それもそうだろう。べつに作者のことなどを気にしたところで何かがあるわけでもないのだし、所詮道具は道具に過ぎないのだ。……それが一般的な人の考えというものだろう。
……しかし……
物事には例外と言うものが付き物であり、この少年ーー霧下冷鷲もその例外に位置する男だった。
彼の名前は霧下冷鷲。物づくりと魚釣り、それとネットゲームをこよなく愛する17歳である。ただ、彼は周囲と少々違いすぎた。
わずか5歳で受けた知能指数を計る検査で12歳なみと言う驚くべき結果をたたき出した。当然親や周囲の大人たちの彼を見る目はあからさまに変わり、期待、嫉妬、侮蔑、恐れ、哀れみ、羨望等等さまざまなものが彼の小さな体へと無遠慮に圧し掛かっていった。
そんな中でも彼は懸命に生きた。本来ならば甘えたい、かまって欲しいと言う子供としてはそう可笑しくもないことを心の奥へと押しやり、親や周囲の大人の期待通りに聡明な自分を演じるようになった。……僅か8歳のころに彼はそう悟ったのだった。
そんな彼にも趣味と言えるものがある。その一つが何かを作り上げること。最初は木の枝を切出し用のナイフで加工して箸にした。それが十分に満足できる出来となったら次のステップへと進む。そうやって彼の少年時代は物を作り上げる中へと消えて行った。
……時は多いにたち、彼は高校生となった。昔から何かと注目されたという苦い経験を元に、あまり周囲から関心を持たれる事を良しとせず、勤めて目立たないようにと日ごろから生活をしてきた彼は、いまやクラスメイトたちからも一目置かれるほどの寡黙で無表情な少年へと成長していた。……表向きには。
一日の授業が終わり、冷鷲も下校の準備を整える。当然のことながら部活等に所属しているわけもなく、そのまま帰宅である。手早く身の回りの片づけを終え、帰宅する。
(よっしゃあ!!学校が終わったぜ!)
そんな内心を、自称クラス一の無表情で覆い隠しながら、彼は足早に自宅へと向かった。
(今日は金曜。この土日も生産とレベル上げに励むとするか)
そう、内心ではうきうきとスキップでもしたいほどの興奮を胸に冷鷲は無表情のままで歩き続ける。
* * *
家に帰ると彼はわき目も振らずに自室へと向かう。
家族はいない。親は共働きで兄弟は二人いるがどちらとも全寮制の学校ーー俗に言ういい学校ーーへといっている。
彼も進められたが、他人とのコミュニケーションがあまり得意ではなかったため、家から通える学校へ行くことにした。
(さてと。早速……)
自室へと入るや否や、冷鷲はデスクトップタイプのPCを起動させつつ、制服から私服へと着替える。
彼はあまり身長が高くない。165cmほどだ。
だが、全体的に細身な上、きりっとした眼や、すっと通った鼻筋など。誰もが美男子と言うだろう事間違いなしのイケメンなのである。
(ううむ。今日は何の武器を作ろうか。いや、使おうか。いやいや、釣りにでも行くか。いやいやいや、やっぱ何か作るか)
……彼は残念なイケメンなのであった。
そうやって取り留めのないことを考えながら着替えを終えると、丁度パソコンが完全に立ち上がったところだった。
すぐさま慣れた手つきで操作し、ネットゲームの世界へと彼は飛び込むのであった。……冗談抜きで。物理的に。
「えっ」
戸惑いの声を上げるがしかし、その声は誰にも届かない。
前振りもなくパソコンのディスプレイが光りだしたかと思うと同時に画面へと引き寄せられる。
そして何も抗うこともできずに彼はネットゲーム「My Story」の世界へと文字通り飛び込む。っていうか引き込まれるのであった。
「な…なんじゃこりゃあ!?」
というどこか時代を感じさせる叫びと共に。