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1.ツギハギ、カントリーハウス。

「誰かを愛し続ける人生でした。」



いつか、天の国へ足を踏み入れたとき、彼女はまた空を見下ろしそう言うはずです。

それほどまでに、彼女の命の欠けた部分は、愛という名の言葉でツギハギだらけでした。


彼女の人生は、どのように幕が下ろされたのでしょうか。

所々不協和音が聞こえるのも、私の考える理想的な人生です。


この世界のお話か分かりませんが、いつも夜空に星がいっぱいの世界です。空は地球のようでした。

とある田舎町に、少しばかり小さいですが、素敵なカントリーハウスがありました。

夜には小さな橙の光がきっと見えています。


あそこに住むお綺麗な老婦人が物語の主人公です。

彼女の生まれた国をウィルトゥース、彼女の住んでいる国をアモルと名付けましょう。


数十年前まで、アモルは栄えていました。

あのカントリーハウスも、今の四、五倍はありました。今は管理が行き届かず取り壊してしまったんだとか。


そして、町中あっちこっちから聞こえる子供の声、カチャカチャと食器がぶつかり合う音、夜になると、窓からあふれ出す光。どれも、思わず笑みがこぼれる物でした。


しかし、その音はいずれ、悲鳴に、銃声に、炎に姿を変えました。


戦争が始まったのです。

気の狂った男がウィルトゥースの皇太子を殺しました。それが事の発端です。

アモルは随分と臆病なお国柄ですから、皆、涙を流すことしかできませんでした。


さて、彼女はというと、愛する人を送り出してからは、彼女の祖国、ウィルトゥースの家族に手紙を送り始めました。いたって平凡な内容です。


『最近は寒いね。風邪を引いたらいけないから、ちゃんと暖炉を使ってね。』

『運動はしてる?長生きしないと、孫が悲しみますよ。』

『この前、とても美味しいスコーンのレシピを考えたの。この手紙に封入しておくね。』


ですが、端から見たら内通者。戦争で子を亡くした使用人から恨みを買ってしまいました。

とは言っても、長年連れ添った使用人ですから、情が湧いてしまったのか手をあげることも声を荒げることも出来ませんでした。


使用人の名前は確か____そう、アデールと言いました。

アデールは腫らした目で、彼女に別れを告げました。

もうここにはいられないと、そう悟りました。

まぁそれ以外にも、彼女の様子は可笑しくなるばかりでしたから、見ていられなかったのでしょう。


と、ここまでは昔のお話。

今はというと、独り寂しく編み物をして一日を長く過ごしています。

そんな生活に嫌気がさしたのか、はたまた今際の際を感じたのか、私でもそこまでは分かりませんが、大きな決断をしようとしていますよ。




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