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「マジシャンズカース」
その日、世界は明けない夜の暗闇に包まれた。暗い空に浮かぶのは光の輪。枯れ果てた大地の隙間からは真っ黒な闇が覗いている。
天上で重なった太陽と月は動かずに、その光を永遠に閉ざす。
明かりを失った人々は途端に狂い始め、空に浮かぶ唯一の光を求め、血と臓物で彩られた大地に縛られながら、ただ真っ直ぐ手を伸ばした。
そしてその多くが黒く暗い闇に飲み込まれる中、たった2人、まだ幼い少年と少女だけは届いてしまった。
その有象無象、数多の人々を踏み台に、彼らは光を手に入れた。
それは人の理を外れた魔法、代償は決して外れぬ呪い。
そうして幼き日の少年と少女は魔法使いになったのだ。




