緊急事態発生。不良外国人と怪しい男
気温41℃。暑すぎる昼下がり。僕は田辺達也。17歳。夏休みだから旅行のために電車に乗っている。現在地は米根駅。
米根町は戦国時代に活躍した武将の花咲珍平ノ助が作った町なんだよ。花咲珍平ノ助は江戸時代に既にムーンウォークをしていて踊王という異名を持つ武将だった。朝まで踊り明かして過ごすのが毎晩の日課だったらしい。
まだ発車まで時間があるから僕は一旦電車から降りて、お茶と鮭弁当を買いにキヨスクに行った。
「おや? 何やら騒がしいなぁ」
外国人の男性がビールを飲みながら騒いでいた。どこの国から来たのかは一目瞭然だった。僕は距離を置くために後ろの車両に移動することにした。
僕はのんびりとお茶を飲み鮭弁当を食べていた。
「ハハハ。マズイビールだ。日本は臭い国あるよ」と騒いでいる外国人が僕がいる車両に来やがった。日本語が話せるみたいだな。嫌なうるささだな。面倒くさいから寝るふりをしようかな。
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外国人は大声で話していて周りに迷惑をかけていた。
「日本、全体的に臭い。日本のメシもマズイあるよ。日本のメスはブスばかり。日本人は醜いしダサい」と外国人の男が日本語で言って喚き散らしていた。
最近、日本の大問題である移民問題、不良外国人問題は前にも増して深刻な状況に陥っている状態だった。外国人に土地を買いまくられて、日本の街並みは外国人によって破壊されつつある。至るところでゴミは散らかし放題、若い日本人女性が外国人にレイプされて殺害される事件が急激に増えていた。日本社会が崩壊の道を歩いているのは間違いない。
「もう少しで全ての日本人は死ぬ。日本は滅ぶ滅ぶ滅ぶ」と外国人の男は酒の力を借りてだか、何だかしらないが、とんでもなく恐ろしい事を大声で叫んでいた。
後ろに座っていた男が静かに立ち上がると、ゆっくりとした足取りで外国人の男に向かった。
「貴様、何だ? 何か用か?」と外国人の男は警戒しながら言った。
男は薄ら笑いを浮かべて外国人の男を見ていた。
「ナニを見てる!!」と外国人の男は怒鳴って男の頭にビールをかけようとしたが男は素早く払いのけた。
「お前が噂の不良外国人だな」と男は言ってニヤニヤした。
「日本人は奴隷になる!!」と外国人の男は言って胸に手を当てながら国歌を歌い出した。
怪しい男は電車の窓を素早く開けて素早く不良外国人を抱きかかえて素早く窓から放り投げてしまった。
「お前、殺す! 死ね!」と不良外国人は言いながら電車に戻るとポケットからナイフを取り出した。
後ろの席に座ったばかりの男は立ち上がるとポケットから銃を取り出した。
「わかったわかった」と不良外国人は言ってナイフをポケットに戻した。
男は銃を不良外国人の額に付けて引き金に指を入れた。
「冗談冗談。冗談だ。まだ死にたくない。うぇーん」と急に不良外国人は愛想よく言うと嘘の泣き声を上げ出した。
怪しい男はニヤニヤしながら銃をポケットに仕舞うと不良外国人を抱きかかえて再び窓から放り投げてしまった。
「また何する!!」と不良外国人は言うと再び電車に戻ってきてポケットからナイフを取り出した。
男はカバンからマシンガン銃を取り出した。
これは極めてマズイ状況だ。
この男は、おそらく、トレイン・ジャックをするつもりでこんな物騒な物を用意したに違いない。
「な、な、何する……。本当は俺は日本人。日本人」と不良外国人は小声で言うと自ら電車を降りようとしたが、マシンガン銃を持つ男に捕まえられてしまった。
「じゃあ、あんたの免許証、身分証明証かパスポートを見せてみろよ。フフッ」と男は言って不良外国人をヘッドロックしたまま天井に向けてマシンガン銃を撃って大きな穴を開けた。不良外国人は気絶してしまった。ライフル銃を持った男は電車にあるトイレに行って不良外国人を降ろすと手足を縛り口を猿ぐつわした。不良外国人は気絶したままだった。
「助かりたければ俺様に5億円を用意しな!!」とライフル銃を持った男は叫ぶと閉め切った電車のトイレの扉に向けてライフル銃をブチかました。中で横たわる不良外国人は残念ながら命を落としてしまったようだ。この一連の流れは、わずか5分間の出来事だった。
異変に気付かない電車運転士は電車を出発させてしまった。
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大和愛人は崖の上でゴロゴロと横になりながらコロコロコミックを読んでいた。
突然スマホが鳴った。
「はいもしもし? なに!? トレイン・ジャックされただと!? こりゃまた珍しい事件発生だ! 初かもな。米根駅? ライフル銃を持った男が喚いている人質をとって身代金を要求しているだと!? わかった。今から行く!!」と大和愛人は言うと、スマホを持ったまま大和愛人が愛用するハドソンジョイスティックの写真を撮った。大和愛人は毎日16連射を超えるために指でスイカを割ったり、ハドソンジョイスティックで連射の練習したりしていたのだった。お陰様で、何もない、だだっ広い崖の上には電気が通っていたのでテレビが見れてファミコンもできていた。大和愛人は毎日遅くまでファミコンをして遊んでいた。もちろん、事件があれば直ぐに現場に飛んでいくのは当たり前だ。大和愛人警部が住む崖の上には、テレビ、ファミコン、ファミコンソフト100本、コロコロコミック10冊、マンガ100冊、駄菓子、オモチャ、ちゃぶ台、スマホの充電器、枕、夏用の掛け布団と冬用の掛け布団と敷布団と母親から貰ったTバックだけしかなかった。
大和愛人はスマホを持ったまま空に向かって指笛を吹いた。
東の曇り空から照れくさそうに見知らぬオッサンが敷布団に乗ってやって来た。
「久しぶりだな。松川チンタロウ。ちょっと急いで米根駅に向かってくれないか?」
「よかよか。この敷布団はね3900円だよ」と松川チンタロウは言った。
松川チンタロウ。人間は空を飛ぶ夢を叶えるためにあらゆる努力を継続中だが、松川チンタロウは58歳だが53歳の時に、偶然、空を飛べる超能力に目覚めてしまっていた。
もし松川チンタロウのようになりたければ松川チンタロウのように誰にでも優しくしなさいよ。優しい人間には超能力が発現しやすい。
つづく




