【第69話 運命を変えた咲良】
こんにちは。
御覧いただき、ありがとうございます。
舞台原作「バック・トゥ・ザ・君の笑顔」
是非、お楽しみ下さい。
眩しさが治まり目を開けると、いつもの神社の景色が広がっていた。
クロさんとロノさん。それに俊介と金城も居る。
未来に、現在に帰って来たんだ。
「おぅ、おかえり」
ボロボロに疲れ切ったクロさんが力なく手を挙げた。
もう片方の手には田中の帽子が握られていた。
「田中は!? 田中はどうなりました!?」
「時空の歪みに飲み込まれちまった。すまん」
「いえ」
クロさんの様子を見るに、多分助けられないのだろう。
俺たちはクロさんの力で過去に戻ったからまたここに戻って来れた。でも巻き込まれた田中は……。
「ま、あいつは違う時代で元気にしてるからよぉ、心配すんな」
「え?」
この時の言葉の意味を、俺たちは後になって知らされた。田中らしくて笑っちまうよ。
「咲良ちゃん良いお顔になってるわね」
「どうだ、運命は変わったのかよ」
咲良ちゃんの方を振り返る。
そこに立つ姿はとても生き生きしていて、凛としていて、可愛くて、嬉しくて、どんな言葉を探しても、今この咲良ちゃんを取り戻した気持ちを言い表せない。
「はい! 皆さんのおかげです。ありがとうございます」
空は雲一つなく晴れていた。
風がひと吹き、咲良ちゃんの頬の涙を拭った。
「徹、お疲れ」
俊介が俺に肩パンしてきた。
俊介もこんなになるまで戦ってくれたんだな。
「カッコイイぞ、徹ちゃん」
金城がハイタッチしてきた。
金城もあんな強そうな奴と戦って勝ってくれたんだな。
ありがとう。俺を信じてくれて。
「徹くん」
それは咲良ちゃんの初めて聞くとても柔らかい声だった。
「え!? あ、はい!」
「友達になってくれて、ありがとう」
ボロボロと泣きながら俺に精一杯微笑みかける。
俺も涙が込み上げてくる。
「え、あ、はい! こちらこそ!」
俺は気の利いた事も言えず、涙を拭いながら元気に返事する事しか出来なかった。
何か喋ろうとしても、喉に言葉がつっかえてうまく喋れない。
「おいおい! 女の子泣かすなよ」
「罪な男ね」
クロさんとロノさんに小学生みたいに茶化される。
それを見て俊介も金城も笑って、戻ったんだな、いつもの日常に。これから始まるんだ、咲良ちゃんの新しい人生が! そして願わくば俺の青春が!
「そこまでだぁ!」
と、俺の恋愛妄想はドスの効いたおっさんの声によって遮断された。
完結するまで毎日18時に更新されますので
楽しみにお待ちいただければ幸いです。
2025/06/08までに「バック・トゥ・ザ・君の笑顔」は完結します。
全部で4部作ありますこのシリーズ。
恐らく全てがラノベ化されると思いますので
そちらも合わせてお楽しみいただければ嬉しく思います。
応援の程、よろしくお願い致します。




