【第47話 過去を変えさせるな】
こんにちは。
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舞台原作「バック・トゥ・ザ・君の笑顔」
是非、お楽しみ下さい。
「俺は「呼び出せ」とは言ってない。「呼べ」と言ったんだ。それにこいつらは先に潜伏させていただろ」
「たたた大変失礼しました!」
顔を真っ赤にしてモイラはアトロの後ろへ隠れた。
モイラはおっちょこちょいだ。
「今めちゃくちゃ恥ずかしいだろ、お前」
「かっこいい!」
「呼ばれた~い!」
「ぱねぇー!」
3匹の仔狸は初めて見る魔法陣に興奮していた。
いつの時代も、男子はロボットや魔法が大好きだ。
「あなた達が呼ばれるのは、お師匠さんにドヤされる時ね」
「「「じゃあいいや」」」
「アトロさん、俺の出番かい」
オグマはボキッと首を鳴らした。バッキバキに、それでいてシャープに鍛えられた肉体。長い手足に立派な狐の耳。
「ああそうだ。力を貸せ」
オグマの隣にはストスが静かに立っていた。刀を腰に差し、ショートパンツからは長い脚が覗いている。要するに2人とも高身長・高スペックなのである。
「「「オグマのおじちゃーん」」」
「がしししし。お前ら大きくなったなぁ! その内全長2メートルを超すぞ」
「「「遊んで遊んで~」」」
「ちょっと待ってろ、たぬき共をたぬき鍋にしたらな」
オグマが子供たちを後ろへ追いやり前へ出た。どうやらアトロチームにはまだ、戦う意思は健在のようだ。
「ストスちゃん。怖い顔してどうしたの? お腹痛いの?」
スーがいつもと違うストスの異様な雰囲気を感じ取っていた。
「……何でもない。危ないから少し下がっていろ」
スーの頭をわしっと撫でると一歩前へ出た。
「いよいよ戦闘態勢じゃねぇか」
「大人しく時の流れに身を任せなさい」
「生娘のあなたにこの場は刺激が強いわよ? モイラさん」
「馬鹿にしよって」
「オグマ・ストス、人間を追え。時の流れを変えさせるな」
「御意」
「賜った」
アトロが2人に指示を出すと、アトロチームは素早く陣形を変えた。
「おいおい、争う気はねぇんじゃなかったのかよ」
「えぇ、「あなた達」とはね」
「俺がそんないい子ちゃんに見えるか?」
「モイラ、コン、プー、スー。2人を送れ」
4人は陣形を組み妖力を溜め始めた。オグマ・ストスを過去へ送るつもりらしい。
「させねぇよ! ロノ!」
クロとロノ、そして金袋玉は陣形めがけて一斉に妖力を放出した。
アトロが素早く間に割り込み、妖力を片手で受け止める。
「2人がかりでこの程度ですか」
クロとロノが全力を出しているのに対し、アトロはいとも簡単に妖力を押し返していた。
「てめぇ、たぬきの置物壊しまくりやがったな」
「歳は取りたくないものですね」
「歳は取らねぇよ! おらぁ神だからなぁ!」
4人の妖力が高まり光り出した。
「天運」
「天命」
「廻り合わせ」
「時は定めに従う因果のままに!」
オグマ、ストスが眩しく輝き光の中へと吸い込まれていく。
「じゃあなたぬき共!」
「仰せのままに」
光が歪みオグマ・ストスはそのまま消えていった。
ふたりは人間たちを始末する者として、徹たちと同じ時代へと飛んだのだろう。
「時は流れるままに」
アトロは余裕の笑みを浮かべていた。
「クソ野郎」
完結するまで毎日18時に更新されますので
楽しみにお待ちいただければ幸いです。
2025/06/08までに「バック・トゥ・ザ・君の笑顔」は完結します。
全部で4部作ありますこのシリーズ。
恐らく全てがラノベ化されると思いますので
そちらも合わせてお楽しみいただければ嬉しく思います。
応援の程、よろしくお願い致します。




