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【第18話 準ストーカー罪】

こんにちは。

御覧いただき、ありがとうございます。


舞台原作「バック・トゥ・ザ・君の笑顔」


是非、お楽しみ下さい。


 ふと目の前の鳥居を見上げて我に返った。

 すっかり辺りはオレンジ色に染まり、木々が生い茂り、鳥居からは上へ上へ続く石段が覗いている。

 考え事をしながら歩いていたら神社前に来てしまったんだ、無意識に。そう、そんなつもりは無かった。偶然なんだよ。たまたま、たまたまここに辿り着いたんだ。


「何で俺はこんなとこに来ちまったかな。いや、会えるとかそんなん思ってないよ? そんなんあれじゃん。ストーカーじゃん。いや、あれだから。神社は公共の場だからマジで」


「こんにちは」

 誰かの挨拶が聞こえ、条件反射で挨拶を返す。

「こんにちは」


 ん? この声……! 気付けば背後には制服姿の鈴森さんが立っていた。

「えっ!? あっ! わーっ!? え、あの、ちょ、いつからそこに居ました?」


 隣町の高校の制服を着ている。って事は隣町まで自転車で通学してるのか。

 あ、いや、今はそんな事どうでもいい! どうでもよくはないけど!


「町田さんが鳥居を見上げながら「何で俺はこんなとこに来ちまったかな。いや、会えるとかそんなん思ってないよ?」って喋……」

「最初っからね!」


 どうしよう! 全部聞かれた! 絶対ストーカー認定されたじゃん! 恥ずかしさと後悔で、まともに顔が見れない。


「どうしました?」

「あ、いや、何でもないです!」


 良かったバレてない! ストーカー認定回避! 神に感謝しよう!


「あ!」

「はい?」

 せっかくだ。せっかく会えたんだ。喋りたいんだろ? 会いたかったんだろ? 勇気を出せ! 一生分の勇気をここで絞り出せ! 俺の口よ! 動いてくれ!


「お、お~……」

「お?」

「お喋り!」変な声出た。

「お喋り……しませんか?」

「……いいですよ」


 え、嘘マジ!? その返事を聞いて一瞬時が止まった。耳の奥で心臓の脈打つ音が聞こえる。


「本当!?」


 鈴森さんはこくりと頷いた。やった! あ、えっとどうしよ。どこで喋ろう。

「あの、じゃあこれ……」

 俺はハンカチをポッケから取り出して広げ、石段に敷いた。いいじゃん。紳士っぽいよ、俺。


「どうぞ。座って下さい。あの、ちゃんと洗濯してますんで」


 良かった。昨日たまたま一週間入れっぱなしのハンカチを何となく洗濯したばっかりだ。いつも洗濯しないし、洗濯したとしてもポッケに入れっぱなしで、結果洗濯したからまあ結果オーライレベルの清潔さをした俺のハンカチ!

 君は今日この日の為に俺に使われ、洗濯されたんだよ! 君は世界一幸せなハンカチさ! 黄色いハンカチなんか目じゃないぜ! もう絶対洗濯したくない!

 けど、洗濯しないとキモイから洗濯しなきゃいけない! 本当は真空パックに入れて冷凍保存したい!


 こうして俺は偶然にも鈴森さんと話すチャンスを得た。




完結するまで毎日18時に更新されますので

楽しみにお待ちいただければ幸いです。


2025/06/08までに「バック・トゥ・ザ・君の笑顔」は完結します。


全部で4部作ありますこのシリーズ。

恐らく全てがラノベ化されると思いますので

そちらも合わせてお楽しみいただければ嬉しく思います。


応援の程、よろしくお願い致します。

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