【第1話 溶けていく夢と過去のユメ】
こんにちは。
御覧いただき、ありがとうございます。
舞台原作「バック・トゥ・ザ・君の笑顔」
是非、お楽しみ下さい。
「なんだ、また夢か」
夢の中でそう呟いた。
俺はよく夢を見る。ひとつは鮮明な夢。
まあ夢というかその日に体験した事がそのまま夢に出てくる。
今日はカラオケに行ったからカラオケの夢だ。幼馴染のふたりが俺のお小遣い日に合わせてたかってきやがった。
じゃんけんによる抵抗も虚しく奢る羽目になった俺は誰よりも歌いまくってやった。これはもう実質奢りじゃなくてちょっと高いひとりカラオケに行っただけだ。うん、そうなんだよ。だからちょっと喉が痛いんだよ。
そしてこの夢もどうせ忘れる。夢を見ると思い出す。夢を見るとその事は忘れるって事を。なんかこう、夢で見た光景が砂時計の下にサラサラと吸い込まれていく。そんな感覚。そしてそれはもう二度と夢に見る事は無いし、思い出す事も無いんだろうなと何となく感じる。
それは別に悲しいとか切ないとかそんなものじゃなくて、俺にとっては当たり前の事。
今日はもうひとつ夢を見た。これはたまに見る同じ夢だ。
青いスコップと緑色の熊手を、お気に入りの小さな赤いバケツに入れて持って来たのは多分子供の頃の俺。もうひとり女の子が居て、夏のくそ暑い日に無邪気に砂場で遊んでいる夢だ。
お気に入りのぬいぐるみとかおもちゃとか、子供の頃は大切にしていた宝物も今となってはどこにいったのやら。捨ててしまったのかどうかも覚えていない。
遊んでいた子供の俺は突然視界が暗くなり口の中に砂と血の感覚が広がっていく。女の子がすごく怯えているから頑張って立ち上がるんだけどそこでこの夢はいつも終わってしまう。
「しまう」っていうか、終わってくれていいんだけど。怖いから。あ、でもあれだな。ここまで見たって事はもうじき目が覚めるんだな。
嫌だな。
完結するまで毎日18時に更新されますので
楽しみにお待ちいただければ幸いです。
2025/06/08までに「バック・トゥ・ザ・君の笑顔」は完結します。
全部で4部作ありますこのシリーズ。
恐らく全てがラノベ化されると思いますので
そちらも合わせてお楽しみいただければ嬉しく思います。
応援の程、よろしくお願い致します。